気持ちよい営業の人は、ワンポイントに絞って切り込むのが上手です。上手というか、おそらく多くのお客さまと接しながら学び磨いてきた技であり、またそういうなかから生まれてきた「ひとこと」に違いありません。逆にくどくど説明が始まると、なにが言いたいのかが分からなくなり関心が失せてしまいます。途中からは聞いているふりをしているだけになります。
マーケティングの実務の世界でも、「ひとこと」で企画をプレゼンテーションできる人がいます。「ひとこと」で聞き手を惹きつけます。「ひとこと」で惹きつけ、テンポの良い展開で説明し、一緒に考えるという流れをつくりだしてくれます。
こういた人たちはプレゼンテーションの達人だと思いますが、トレーニング次第で達人とはいかなくとも、誰でもプレゼンテーション上手ぐらいにはなれると思います。いろいろ人によって工夫はあると思いますが、「331の構成」を意識して情報やメッセージの整理をしたり、いつも頭の中に置いておくという方法をご紹介します。

「331の構成」というのは、まず伝えたいことがたくさんあっても3つに絞るということです。この3点だけ伝わればよいというポイントを決めます。情報やメッセージを切り捨てるというのは後ろ髪を引かれる思いがしたり、言い足りないという気持ちになりがちですが、伝わらなければ元も子もありません。
相手の人がよほど頭のいい人なら別ですが、限られた時間内で理解していただけ、覚えてもらえる情報やメッセージは3つが限界だと思っています。思考がついていけるのも3つのポイントぐらいです。それ以上だと混乱してしまいます。これは経験則です。
訓練すると頭の中で情報を掛け合わせたり、優先順位をつけたりして絞っていくことができるようになりますが、ポストイットを利用してメッセージの整理をしてみるというのが結構役に立ちます。いくつもの製品やサービスの特徴、またその背景などをポストイットに書いて、並べてみて近いモノはまとめ、また絞り込んでいく方法です。KJ法のようなものです。
3つのポイントができると、それぞれのポイントについて、さらに(WHAT)分解するとどういうことなのか、(WHY)なぜそうなのか、(HOW)どうすればそうなるかを3ポイントづつ挙げます。(WHAT)(WHY)(HOW)のいずれか、または場合によってはすべてを3つのポイントに整理して、最初の3つのポイントにぶら下げます。もうこれだけで、最大27のメッセージ、最小でも9つのメッセージになってしまいます。それが頭の中にきちんと納められ、一瞬にひきだせるようになったら大成功です。
ここまでは、整理の段階です。これらのメッセージを睨みながら、中心となる「ひとこと」を考えます。最大の仕事です。331の構成の最後の1をひねり出すのです。これはかなり考える必要がありますね。お客さまやプレゼンテーションする相手の人たちのこともよく考えなければなりません。これでいいたいことが伝わるだろうかとか、共感していただけそうかと悩みはつきません。
最後のひとつの「ひとこと」は、言いたいことや伝えたいことの全てが凝縮されているか、新しい視点でなければなりません。この「ひとこと」を生み出すにはほんとうに時間も要します。思考もフル回転させる必要があります。納得できるまでなんども吟味します。その「ひとこと」を発見したら、もうプレゼンテーションは成功したも同然です。

情報やメッセージを整理しているうちに、何回も繰り返し情報やメッセージが頭の中で磨かれていきます。最後の1つまり「ひとこと」を考えるうちに、全ての構成は頭の中に自然に記憶されていきます。面白いもので、こういったしっかりとした構成を頭の中に持っていると、突然思いもかけない質問をされてもたじろぎません。対応ができるようになります。新しい視点を加えたらどうなるのかという思考がその場でできるようになるから不思議です。
こういった構成を考えることに時間を割かず、ただただ企画書のボリュームを増やしたり、説明をくどくど考えることに時間をかけるというのは労多くして効果がないということのほうが多いので気をつけたいところですね。
みなさんは、どんな方法で「ひとこと」を発見したり、ひねり出したりされていますか。きっと個性にあわせたユニークな方法があるのでしょうね。

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