東証が、市場の信頼に傷がついたとして西武鉄道の上場廃止の方針を固めました。日経ビジネス11月8日号に詳しく書かれていますが、有利子負債が1兆二千億円抱え、またグループの保有する土地資産の時価総額も全盛期の12兆円から、1兆円弱にまで激減しており、西武グループの経営破綻も危ぶまれます。資産の切り売りでどれだけ乗り切れるのでしょうか。そうでなければ、新たな不良債権問題の火種になります。かつての堤さんの帝王としての姿はそこにはありません。
また、日テレの読売所有株の一部を、ナベツネ個人名義にしていた読売ですが、さらに地方のテレビ局二十四社、ラジオ局十八社の株式を第三者の名義で実質保有していることを明らかにしました。一場選手への金銭授与といいこちらも問題が続出です。ついにナベツネは表舞台には登場しなくなりました。できなくなったというほうが当たっているかもしれません。かつての政界に隠微な影響力を持ち、政治家を震え上がらせてきた姿は、もはやありません。結果として見てみると、プロ野球の1リーグ化を強引に推し進めようとしたナベツネ-堤のホットラインは、ふたつの帝国崩壊の始まりだったのかもしれません。
さて地方局の読売が保有していた株ですが、日経によるとテレビ局九社とラジオ局三社は、総務省が定めたマスメディア集中排除原則で制限されている持ち株比率を超えていました。このルールは多様な言論を保つために、一企業が複数の放送局を支配することを制限するルールです。手続きとしては、次の放送免許更新時までに是正すればよいことですが、報道機関としての読売が、そういったルール破りを長年やっていたということは、それで済む問題ではありません。
プロ野球問題では、2リーグ制維持がよいとした阪神久万オーナーを紙面で無責任だと中傷したり、ストに関して、あまりにも一方的な選手批判の社説を展開しました。読売の意向に従わなければ紙面で叩いたり、威圧するというという体質をむき出しにしたわけです。ナベツネが政界に影響力を築いたのも同じ「脅し」の手法だったのではないでしょうか。これまでのネベツネのさまざまな発言にもその匂いがします。
また週刊文春が、読売が楽天の三木谷社長にライブドア潰しを懇願したというスクープ記事を発表し、その広告を黒く塗りつぶして掲載したことも記憶に生々しいですね。さらに一場選手への金銭授与問題、高橋由伸選手の実家の11億円の負債を肩代わりしていたという疑惑も発覚しました。そういえば視聴率の不正操作で問題になったのも読売系列の日テレです。
目的のためには手段を選ばずというDNAが読売には流れているのでしょうか。いったい読売にはジャーナリズムとしてのモラルや倫理感はあるのだろうかと疑います。
週刊文春といえば、読売への挑戦が止まりません。11月18日号でも、「渡辺恒雄会長に『個人資産267億円』を緊急直撃!『警察を呼ぶぞ!』と檄昂し、ついに重い口を開いた・・・」という記事が掲載されています。そのなかで注目されるのは、不動産だけで10億円弱というナベツネの資産です。サラリーマンであるナベツネの生涯所得を上回っているのです。しかも、それらのマンションなどの購入は、100%自己資金だということです。いったいどこからそんな資金を得ることができたのでしょうか。本当に日テレ株は名義だけだったのか、配当は受け取っていなかったのか疑問が残ります。もし配当を受け取っていたとするなら、株の無償譲渡があったということですから大変です。ナベツネ引退だけでは済まなくなります。
読売の記者の皆さん、読売で働く皆さん、ぜひジャーナリズムの魂を取り戻すために立ち上がってください。報道は公器であり、その大きな社会責任を背負っているという自負を失い、自らを律することができなければ存在する価値はないのですから。

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