中国とアメリカの距離がどんどん縮まってきているように感じます。人民網日本語版によると、8日には、大統領選で勝利したブッシュ大統領とさっそく胡錦涛主席が電話会談を行い、ブッシュ大統領が「一つの中国」政策の堅持と、3つの中米共同コミュニケの順守、「台湾独立」への反対という立場を繰り返し言明したとブッシュ大統領の対中国政策を評価しています。
小泉さんはブッシュ大統領と親しいというのがご自慢なようですが、親しいのは小泉さんだけではないようですね。
アメリカの中国への急接近ぶりを感じる記事を先日見つけました。アメリカから中国への原子炉輸出計画の話です。この計画を持っているのは、米最大の原子力発電技術供給会社ウェスチングハウス・エレクトリック社で、広東省の陽江と浙江省の三門の原子力発電所建設の入札に参加し、中国に総額約24億ドルの原子炉2基を輸出する用意があることを明らかにしました。しかも、米原子力管理委員会が現在この技術の輸出ライセンスを審査中で、約2カ月で中国への輸出認可が下りる見通しだそうです。ちなみに計画している原子炉は、約1カ月前に米政府の認可を得たばかりの最新鋭の技術で、商業運転にはまだ使用されていないとのことです。 またこの国際入札にはフランス、ロシア両国の企業も参加に意欲を見せているといいます。

どうも、日本は台湾からのロビー活動に汚染されているのか、中国が脅威だとする言論、また中国経済の不安を指摘する評論が多いように感じます。評論は結構なのですが、いたずらに警戒感を煽るばかりで、重要な隣国である中国とどう付き合うかという前向きな発想に欠けています。
しかし、そういった中でも日本企業の中国進出はどんどん進んできており、経済の交流だけは増加の一途です。貿易額もどんどん増えてきています。
政治、外交だけが置いてきぼりを食らっています。世界先進国と比べても隣国でありながら、対中国政策は消極的で、外交も残念ながら遅れています。政治や外交が経済の足をひっぱらないといいですが、大きな懸念材料であることはいうまでもありません。

政治の世界で面白いのは、どちらかというと小泉さんよりは中曽根さんの方が右寄りだと思いますが、中曽根さんは中国共産党幹部とのパイプもあり、もっと中国政策を積極化しないといけないという立場です。小泉さんは、口では中国外交が重要といいつつ動きがどうも鈍いですね。遅ればせながら、ようやく今月の第12回アジア太平洋経済協力(APEC)首脳会談で胡錦涛主席との会談をが実現する方向に動いているようですが、中国側からは日中両国指導者の接触は重要だとしているものの、日本側がそのための良好な雰囲気と環境を作り出してほしいという注文がつけられています。
靖国問題あり、さらに日本政府が「中国が日本へ進攻する3つのシナリオ」をまとめたりで、中国政府を困惑させ、警戒感を刺激する動きが多いと見られているようです。
中国は、共産主義社会というよりは、途上国型の官僚体制と考えた方が現実に近いと思います。しかも、どんどん変化していっています。日本の官僚と違って、官僚が成果目標を持っており、成果が達成できないとクビになるというのも面白いですね。日本の官僚よりは競争原理が働いているのではないでしょうか。評価制度を導入するというだけで抵抗する日本の官僚社会は、中国よりも社会主義の社会かもしれません。
いずれにしても、人民網日本語版も見るとさまざまな発見があります。やはり複雑な時代は、複眼で世の中を眺めておきたいものですね。

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