スポーツの世界で「コーチング」の考え方が、いつ頃から大きく変わってきたのか正確にはわかりませんが、少なくとも20年ぐらい前から大きな変化が始まってきました。
スポーツのコーチは、スキルを一方的教えるものだと誤解している人がいるようですが、それは古いコーチングの考え方です。
私は、30代の10年間ほど少年ラグビーのコーチをやっていました。ちょうど、スポーツの世界に大きな変化が訪れ、コーチング方法も変化し始めた頃だったので、本当に試行錯誤の連続でした。
全日本ラグビーの元監督である平尾さんの世代は、スポーツのコーチングのニューウェーブを体験し、さらに深めていった世代で、著書や講演はビジネス界のひとにも人気がありますね。
スポーツのコーチは、スキルを一方的教えるものだと誤解している人がいるようですが、それは古いコーチングの考え方です。
私は、30代の10年間ほど少年ラグビーのコーチをやっていました。ちょうど、スポーツの世界に大きな変化が訪れ、コーチング方法も変化し始めた頃だったので、本当に試行錯誤の連続でした。
全日本ラグビーの元監督である平尾さんの世代は、スポーツのコーチングのニューウェーブを体験し、さらに深めていった世代で、著書や講演はビジネス界のひとにも人気がありますね。
スポーツの世界の変化ですが、象徴的には、「試合や練習中に水を飲んではいけない」から「適度に補給しないといけない」に変わり、「準備体操」が「ストレッチング」に、「うさぎ跳び」が「ウェイトトレーニング」に変わりました。スポーツ経験のない人にはたいしたことではないように感じられるでしょうが、スポーツをしている本人には、革命的な出来事でした。
問題の「コーチング」ですが、それまでは、コーチの描いている理想のスキルを教え込むというスタイルだったと思います。日本の場合、それが行き過ぎ、コーチが考える「美しいフォーム」「正しいやりかた」(それらが時代にあわなくなった古いスキルのことが多いのですが)に選手を矯正しはじめるという弊害が多かったように感じます。
スポーツのコーチングで、もっとも重要な変化のひとつは、「教え込む」から「学べるメニューをつくる」に変わったことだと思います。それまでは、極端に言えば、プレイをさせ、失敗を叱り飛ばし、罰を与えてながら鍛えるというコーチングが主流ではなかったでしょうか。
「学習する」とは、たとえば、最初は、なにが大切か、なぜ大切かを解説し、ゆっくりとしたスピードでプレイしながら、実感してもらいます。理解し、自然に実行できるようになったら、徐々にスピードを上げ、実践でも自然にできるように繰り返し練習します。さらに、何度もプレイを止めては、いくつかの違った状況を再現し、つまりシミュレーションをやって、どうすればうまくいくか、どうすれば失敗するかの実験を繰り返してプレイを完成していきます。
なにを目指しているかですが、「スキルを身につける」と同時に、「自主的に状況が判断できる力を身に付ける」ということです。つまり「なぜ」に対する気づきや理解を深めていくということです。「なぜ」がわかっていないと、変化する状況の中で、運動能力やスキルをそのように発揮したらよいのかという応用ができません。
スポーツは、実際のゲームになると、頭で描いているよりははるかに複雑な状況、違った状況になってきます。言われたことを、言われたように実行するだけでは、局面がどんどん変化していく実際のゲームで、能力やスキルを発揮することはできません。
今日は、スポーツのコーチングはさらに進化してきているように思います。学習するためのツールが登場してきたことです。ビデオです。練習をビデオにとって、選手とコーチがそれを見ながら、よかったプレイとうまくいかなかったプレイを比較し、ディスカッションしながら、「課題を発見」し、「なぜ」を学び、「仮説」をつくって次の練習で「確かめる」というように変わってきています。
さらにコンピュータによる分析も加わり、効率も精度も飛躍的にアップしてきているようです。技術革新の影響は、ビジネスだけでなく、スポーツにも及んでいるのですね。
ビジネスの世界も同じだと思います。スキルだけを学習しても、状況の判断力は身につきません。変化する状況に対応していけません。
なにが「課題」なのか、なにに「目標」をおくべきか、「どうすればよいのか」を発見し、実行できる組織づくりが求められてきているように思います。それは、「学習する組織」です。「変化」を学び、「仮説」を生み出し、「結果」からさらに学び、「知恵」を生み出していく組織です。
現場のマネージャやリーダーに、それぞれのメンバーの働く動機や目的を気づかせるというのは酷だと思いますが、学ぶ組織をつくるためのコーチングに対する理解、また技術は身に付けるために「コーチング」や「メンタリング」を学ぶことは意味があると思います。
また、コンサルティングという仕事も、まさにコーチングの仕事です。少年ラグビーのコーチ経験やコンサルティングというコーチの経験からいえることは、コーチングは、本を読むだけ、つまり知識だけでは、決してうまくいきません。実践を通して学んでいく、学びつづける世界だということだけは間違いないですね
↓クリックしていただければ幸いです
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ニューウェーブ・マネジメント―思索する経営
追記:「学ぶ組織」は経営学の領域でも大きなテーマです。神戸大学経営学部の金井壽宏先生は、大学時代は、教育心理学の専攻で、大学院から経営学の分野に移籍した異色の人です。「ニューウェーブ マネジメント」は、とても読みやすい本なので、お勧めします。
問題の「コーチング」ですが、それまでは、コーチの描いている理想のスキルを教え込むというスタイルだったと思います。日本の場合、それが行き過ぎ、コーチが考える「美しいフォーム」「正しいやりかた」(それらが時代にあわなくなった古いスキルのことが多いのですが)に選手を矯正しはじめるという弊害が多かったように感じます。
スポーツのコーチングで、もっとも重要な変化のひとつは、「教え込む」から「学べるメニューをつくる」に変わったことだと思います。それまでは、極端に言えば、プレイをさせ、失敗を叱り飛ばし、罰を与えてながら鍛えるというコーチングが主流ではなかったでしょうか。
「学習する」とは、たとえば、最初は、なにが大切か、なぜ大切かを解説し、ゆっくりとしたスピードでプレイしながら、実感してもらいます。理解し、自然に実行できるようになったら、徐々にスピードを上げ、実践でも自然にできるように繰り返し練習します。さらに、何度もプレイを止めては、いくつかの違った状況を再現し、つまりシミュレーションをやって、どうすればうまくいくか、どうすれば失敗するかの実験を繰り返してプレイを完成していきます。
なにを目指しているかですが、「スキルを身につける」と同時に、「自主的に状況が判断できる力を身に付ける」ということです。つまり「なぜ」に対する気づきや理解を深めていくということです。「なぜ」がわかっていないと、変化する状況の中で、運動能力やスキルをそのように発揮したらよいのかという応用ができません。
スポーツは、実際のゲームになると、頭で描いているよりははるかに複雑な状況、違った状況になってきます。言われたことを、言われたように実行するだけでは、局面がどんどん変化していく実際のゲームで、能力やスキルを発揮することはできません。
今日は、スポーツのコーチングはさらに進化してきているように思います。学習するためのツールが登場してきたことです。ビデオです。練習をビデオにとって、選手とコーチがそれを見ながら、よかったプレイとうまくいかなかったプレイを比較し、ディスカッションしながら、「課題を発見」し、「なぜ」を学び、「仮説」をつくって次の練習で「確かめる」というように変わってきています。
さらにコンピュータによる分析も加わり、効率も精度も飛躍的にアップしてきているようです。技術革新の影響は、ビジネスだけでなく、スポーツにも及んでいるのですね。
ビジネスの世界も同じだと思います。スキルだけを学習しても、状況の判断力は身につきません。変化する状況に対応していけません。
なにが「課題」なのか、なにに「目標」をおくべきか、「どうすればよいのか」を発見し、実行できる組織づくりが求められてきているように思います。それは、「学習する組織」です。「変化」を学び、「仮説」を生み出し、「結果」からさらに学び、「知恵」を生み出していく組織です。
現場のマネージャやリーダーに、それぞれのメンバーの働く動機や目的を気づかせるというのは酷だと思いますが、学ぶ組織をつくるためのコーチングに対する理解、また技術は身に付けるために「コーチング」や「メンタリング」を学ぶことは意味があると思います。
また、コンサルティングという仕事も、まさにコーチングの仕事です。少年ラグビーのコーチ経験やコンサルティングというコーチの経験からいえることは、コーチングは、本を読むだけ、つまり知識だけでは、決してうまくいきません。実践を通して学んでいく、学びつづける世界だということだけは間違いないですね
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追記:「学ぶ組織」は経営学の領域でも大きなテーマです。神戸大学経営学部の金井壽宏先生は、大学時代は、教育心理学の専攻で、大学院から経営学の分野に移籍した異色の人です。「ニューウェーブ マネジメント」は、とても読みやすい本なので、お勧めします。
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が、イニシアチブはクライアントにあっても改善策を見い出し、QOLの向上をさるのはこちらの手中に委ねられている面白さ(困難)が存在してます。分りにくいでしょうか?
とにかく、今私には目標がありそれを支える「柱」もあるのですが、バーンアウトが恐くて「ストレス耐性」「クレーム耐性」を身に着けようと、もがいております。
実践の積み重ねこそ答への近道(王道)でしょうが・・・? いつか、大西さんに
「ストレス耐性」についてコメント頂きたいです。どうぞ、よろしく。