SWOT分析について書くのは2度目です。SWOT分析は、強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Thread)という4つの視点から状況を分析し、戦略を導き出していこうという考え方です。しかし、よく考え、またディスカッションを繰り返して吟味していかないと、つまらない結果を導くと言う結果に陥りがちです。
理由はシンプルです。強みと弱みも、脅威と機会も裏腹の関係だということです。ものの見方、視点の置き方によって、どちらにも変わっていきます。
よく引用される例ですが、靴のメーカーが、アフリカで靴が売れるだろうかと市場調査をしました。調査を終えた担当者が、「アフリカでは靴を履く習慣がなく、みんな裸足です。靴は売れません」と報告しました。それを聞いたマネージャーが「すばらしい。まだみんな靴を履いていないということは、無限大のチャンスがあるじゃないか」と言ったという話です。見方次第ですね。
「我が社の事業は、どれも成長分野でない」というのは一見弱みに感じます。しかし、成長分野は、競争が激しく、また技術もどんどん革新していかないと生き残れません。大変な投資が必要です。「成長分野に手を出していない」強みを活かして、たとえば、今の事業で、顧客サービスの強化に思い切った投資をしたとしましょう。他の企業は、そういった一見「非合理的」な投資はしないので、圧倒的な差を創り出すことも可能です。そんなのは屁理屈だとお叱りを受けそうですが違います。それでリフォーム市場を押さえて成功している住宅機器メーカーが現実にあります。
「少子化」が進み、どんどん子供が減ってきています。子供を対象にしている会社にとって「脅威」の筈ですね。しかし、高級子供服に絞った展開を行い、急成長している会社があります。子供が減ったから、ひとりひとりに投資する金額が増え、高級な子供服が売れるようになってきたのです。2万円のTシャツが、飛ぶように売れると聞いて、思わず絶句してしましました。
前回にも書きましたが、脅威とか弱みを列挙するのは簡単です。不安材料、心配の種は尽きません。書籍も、センセーショナルに危機を煽るタイトルのものが売れていきます。
脅威を機会に置き換えられないか、弱みを強みに置き換えられないかと知恵を絞りあっていかないと、SWOT分析は単なる企画書の飾りになりかねません。


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