「木を見て森を見ない」という例えがあります。小さなことばかりにとらわれ、全体を見失っていることを言いますね。私が興味を持ってウォチングしているBLOGのなかに、署名で書く記者の「ニュース日記」があります。実名で記者の人の視点が入っているところが魅力的ですが、年金問題の報道に対する私のコメント投稿に対して、「森を見て木を見ない」ことが果たしてよいのかという趣旨のご指摘を受けました。発想が面白いですね。さすがに記者の方です。
なぜ、またあえてそれを取りあげたかですが、実はマーケティングを考える上でとても大切だと思ったからです。
なぜ、またあえてそれを取りあげたかですが、実はマーケティングを考える上でとても大切だと思ったからです。
現代はまさに変化の時代です。状況がどんどん変わっていきます。一連の「年金問題」についても新しい事実がどんどん出てきて、今となっては、最初のころの騒ぎはなんだったのかという様相を呈してきました。
マーケティングの世界も同じです。現在の毎日の報道と同じように、マーケティングの世界でも、「今は、これがトレンドだ」「これが今後の主流だ」「現代のヒット商品はこういう切り口だ」「今の若い人たちはこうだ」といった記事や書籍が賑わい、それを読んだ人が、「今の時代はねえ」とか「君もそれぐらいのこと知らないとは不勉強だ」と語り始めます。本当にそうでしょうか。活字情報から、生きたマーケティングのヒントが得られるかというと私は否定的です。活字になったとたん、情報に鮮度はありません。
たとえば、かつて渋谷とかでたむろしている若い人たちが、若者のトレンドリーダーともてはやされた時期がありました。だから、よく渋谷で若い人たちをウォッチングしようとした年配のサラリーマンの方々を見かけたものです。実際、渋谷の若い人たちの意見を聴いて商品化を試みるという会社もでてきました。それで成功したという話はほとんど聞きません。
ちょうどその頃、若い人たちを対象にしたマーケティングに携わり、数多くの若い人たちから意見を聞いたり、また商品の評価をしていただいていましたが、そういった記事や書籍で描かれた若者とはまったく違っていました。
マーケティングの場合、「森」とは、生活者の人たち、あるいはビジネスの大きな変化の流れであり、「木」はひとりひとりの生活者、また1社1社の顧客です。
変化の時代といっても、突然、大きな時代の変化がやってくるわけではありません。新たな「森」としての新しい潮流を発見することはあっても、突然「森」が出現することはありません。
イメージしてください。森に風が吹いています。谷あり山ありで、風が変化し、木々の枝葉は、さまざまな方向に揺れています。
ある人は、北風が吹いているといいます。またある人は南風だと主張します。どちらも間違っていません。しかし、断片的なのです。
もうひとつイメージしてください。スポーツでは、あまり目の前の動きに釘づけになってしまうと、逆に動きが見えなくなってしまいます。昔、ちょっとかじった剣道では、遠くの木を見るような視線の置き方を教えられました。でないと相手の動きの変化が見えなくなる。球技では、相手の脚の動きを見てしまうと完全にフェイントをかけられ、抜きさられてしまいます。
同じように、変化の時代であればあるほど、視点を遠くに持つことが重要だと思います。そうすると逆にほんの小さな動きで、野鳥がいることに気づきます。森の中、木々の中に野鳥の世界が潜んでいることが分かります。マーケティングの発見とはそういうものです。ちょっと抽象的になりましたが、きっとそれがマーケティングの変化を捉える極意みたいなものだと思います。
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マーケティングの世界も同じです。現在の毎日の報道と同じように、マーケティングの世界でも、「今は、これがトレンドだ」「これが今後の主流だ」「現代のヒット商品はこういう切り口だ」「今の若い人たちはこうだ」といった記事や書籍が賑わい、それを読んだ人が、「今の時代はねえ」とか「君もそれぐらいのこと知らないとは不勉強だ」と語り始めます。本当にそうでしょうか。活字情報から、生きたマーケティングのヒントが得られるかというと私は否定的です。活字になったとたん、情報に鮮度はありません。
たとえば、かつて渋谷とかでたむろしている若い人たちが、若者のトレンドリーダーともてはやされた時期がありました。だから、よく渋谷で若い人たちをウォッチングしようとした年配のサラリーマンの方々を見かけたものです。実際、渋谷の若い人たちの意見を聴いて商品化を試みるという会社もでてきました。それで成功したという話はほとんど聞きません。
ちょうどその頃、若い人たちを対象にしたマーケティングに携わり、数多くの若い人たちから意見を聞いたり、また商品の評価をしていただいていましたが、そういった記事や書籍で描かれた若者とはまったく違っていました。
マーケティングの場合、「森」とは、生活者の人たち、あるいはビジネスの大きな変化の流れであり、「木」はひとりひとりの生活者、また1社1社の顧客です。
変化の時代といっても、突然、大きな時代の変化がやってくるわけではありません。新たな「森」としての新しい潮流を発見することはあっても、突然「森」が出現することはありません。
イメージしてください。森に風が吹いています。谷あり山ありで、風が変化し、木々の枝葉は、さまざまな方向に揺れています。
ある人は、北風が吹いているといいます。またある人は南風だと主張します。どちらも間違っていません。しかし、断片的なのです。
もうひとつイメージしてください。スポーツでは、あまり目の前の動きに釘づけになってしまうと、逆に動きが見えなくなってしまいます。昔、ちょっとかじった剣道では、遠くの木を見るような視線の置き方を教えられました。でないと相手の動きの変化が見えなくなる。球技では、相手の脚の動きを見てしまうと完全にフェイントをかけられ、抜きさられてしまいます。
同じように、変化の時代であればあるほど、視点を遠くに持つことが重要だと思います。そうすると逆にほんの小さな動きで、野鳥がいることに気づきます。森の中、木々の中に野鳥の世界が潜んでいることが分かります。マーケティングの発見とはそういうものです。ちょっと抽象的になりましたが、きっとそれがマーケティングの変化を捉える極意みたいなものだと思います。
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