ホリエモンこと堀江貴文さんが、政府が打ち出した生活保護世帯の子どもの大学などの進学支援は「税金の無駄遣い」とツイートして物議を醸しています。教育問題はもっと国民的な議論を深めたほうがいいと思うので取り上げてみます。
「優秀な学生には返さなくて良い本当の奨学金がすでに支払われる枠組みがあるんだから、優秀でもない学生がわざわざ行くところではないのに補助金だすとかマジおかしい」って本気なのでしょうか。給付型奨学金のことを言っているようなのですが、給付型奨学金では大学に行くのはかなり厳しいというのが実態です。
既存の大学の枠組みを残すための税金の無駄遣い。優秀な学生には返さなくて良い本当の奨学金がすでに支払われる枠組みがあるんだから、優秀でもない学生がわざわざ行くところではないのに補助金だすとかマジおかしい。
— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) 2017年12月10日
生活保護世帯の大学進学... https://t.co/cPWcyHcws4
給付型奨学金で、実際に給付されるのは、国公立自宅通学で2万円、国公立自宅外通学・私立自宅通学が3万円、私立自宅外通学 は4万円となっています。それだけ大言壮語したのだから、その金額内で堀江さんも生活してみてから発言したほうがいいのではと言いたくなるほど、みすぼらしい奨学金制度です。
しかもそれが非常に狭い門で、予算としては2万人分しか用意されておらず、さまざまな厳しい条件がついています。児童養護施設などに入所しているか、里親の養育を受けている人とか、夫婦と子2人の世帯だと年収256万円以下の世帯のみが対象とかです。
そもそも日本は国公立ですら大学の授業料が非常に高い国です。国の教育予算を、各家庭の負担増でやりくりしてきた特殊な国です。海外の場合は高等教育は、国が7割、家庭が3割の負担というのが平均的ですが、日本は国の負担は34%しかないのです。そしてこれはよく指摘されることですが、OECD加盟各国の国内総生産(GDP)に占める小学校から大学までに相当する教育機関への公的支出の割合はほぼ34カ国中最低で推移しています。
ブログ「ソキウス101」の小澤さんが、授業料が高いか安いかと、奨学金が充実しているかどうかで世界各国をグループ化したOECDの資料を紹介されていますが、日本だけが、授業料が高く、奨学金も充実していない特殊な国のようです。
教育に力を入れるのは江戸時代からあった日本の伝統ですし、戦前でも貧しい家庭の優秀な子供は、陸軍や海軍の兵学校か、先生になるための師範学校に進学すれば、授業料免除どころか給与ももらえたのです。しかし、やがて、高度成長期が過ぎた頃から、財政出動で景気の高揚をはかるという手法が定着し、それが道路や箱物などへの過剰な投資となって、教育が犠牲になってきたのでしょう。
つまり目先の景気を繕うため、票を集めるために、将来を売り飛ばしてきたことになります。しかもそれは人の創造力が価値を生む時代の流れに逆行してきたのです。そんな日本が停滞しはじめたのは当然といえば当然なのです。
いずれにしても、教育に目が行くことはいいことで、もっとどうすれば日本の教育制度が良くなっていくのかは、大いに議論したほうがいいことだけは間違いないと思います。
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