38-Galaxy-Note-FE-1024x682サムスンの粘り腰、転んでもタダでは起きないしたたかさはなかなか真似ることができません。「Galaxy Note7」の発火騒動、フライトでの機内持ち込み禁止の致命的な問題を起こし、さらに中国勢の低価格スマートフォンの攻勢を受けても、「Galaxy S8」が売れ、また半導体事業も絶好調で、2017年4-6月(第2四半期)決算で過去最高益を達成した模様です。

アップルも9月12日に新型iPhoneの発表イベントがあるそうですが、もうスマートフォンのハードで心がときめくということがすっかりなくなっていたところに、サムスンが「Galaxy Note7」の後継機種として「Galaxy Note8」を発売します。その大胆さに思わず目が覚めました。
チャレンジ精神というか、よほど自信があるのか、設計も変えたので同じ「Galaxy Note」の冠でも、発売中止に追い込まれた「Galaxy Note7」の負のイメージは引き摺らないと考えたのでしょうか。たとえ、の負のイメージは引き摺っていても、それでも売れという意志のあわわれなんでしょうが、思わず頭に浮かんだのが、日本電産永守社長の「君は死んだノラ猫を売れるか?」という言葉です。

永守社長独特のエキセントリックな言葉で物議を醸したことがあります。いいブランド、いい製品ならなにもしなくとも勝手に売れる、それでは営業は不要。死んだノラ猫は、ないないづくしの商品であり、それでも買ってもらえるだけの信頼を顧客との間に築くのが営業だということです。

サムスンで働くのは大変だと言われますが、まさに、負の遺産のハンディがあったとしてもそれでも売れる仕掛けづくりに知恵を絞るのがマーケティングで、また営業だといわんばかりです。それが証拠に「Galaxy S8」は売れているではないかと追い打ちの言葉があったのかもしれません。

異常過熱して発火し、2度にわたってリコールした後に生産を終了。さらに、フライトのたびに乗務員が同端末の飛行機への持ち込みは禁じられているという警告を読み上げるのを聞かされ、負のイメージを心に刻まれてきたGalaxy Noteを消費者はサムスンの思惑通り割り切って手にするのか、はたまた傷ついたブランドの壁に阻まれるのか、こんな実験はなかなかできるものではないだけに、結果から目が離せません。