安倍内閣応援団のなかには世論調査に関しての知識があまりない人もいて、ネットでは、支持率急落はマスコミの情報操作がそうさせたと息巻く書き込みも散見されありました。現実が自分の思い通りにならないときになぜそうなったかを考えるよりは、世論調査や、マスコミが悪いと決めつけるほうがきっと精神衛生にいいからでしょう。
その世論調査ですが、安倍内閣支持率急落の危険水域から、直近の調査では支持率が回復してきています。

まずは、内閣改造直後の世論調査で、朝日新聞が「内閣改造、支持率上昇ほぼ見られず」としていましたが、実際は、8月3〜4日に行われた読売の調査では、読売が36%から42%へ6ポイントアップ、日経・東京テレビが39%から42%の3ポイントアップ、毎日が26%から35%へ9ポイントアップ、朝日は5〜6日の実施で、33%から35%と2ポイントと全社上昇傾向を示していました。

内閣改造、支持率上昇ほぼ見られず 朝日新聞世論調査:朝日新聞デジタル


さらに8月FNNが19〜20日に実施した調査では、内閣支持率が前月の34.7%から43.8%へと9.1ポイントアップし、また日経・東京テレビが25〜27日に行った調査では、内閣支持率は46%となり、前回の緊急調査からさらに4ポイント上がりました。

ざっくり言えば、もう政権の末期的な状態から、内閣支持と不支持が拮抗する状態、まだ先に望みがあるという状態にまで回復したということです。安倍総理が頭を下げたこと、また内閣改造が効いてきているとみるのが自然だと思います。前回の閣僚が悪すぎたのです。

産経が産経・FNN合同世論調査を性別・年代別に見た結果の記事を「女性の40代、50代で“危険水域”とされる3割切りとなった。安倍内閣の支持率は「男高女低」と「若高老低」という傾向がある」としていますが、「若高老低」というよりは、支持が高いのは30代男性に限られています。
【産経・FNN合同世論調査】内閣支持率、40・50代女性が“危険水域”に 公明支持層も不支持上回る - 産経ニュース : 

30代男性が他の層とは異なる結果を示しているのは、おそらく30代男性はネットでニュースなどには触れる人が多く、ネットではまだ偏狭なネトウヨの影響が残っていることも影響しているからでしょうか。

今後、安倍内閣にとって追い風になるのは北朝鮮のミサイル発射です。不謹慎な話ですが、安倍内閣の支持率にとっては恵みの雨になります。外交で緊張が高まると政権支持が高まるのが洋の東西を問わず一般的だからです。政権の安定を望む気持ちが広がってくるからでしょう。もうひとつは、国会が休会で野党の追求も小休止でマスコミも加計問題を取り上げなくなってきたことです。

さらに、もともとアベノミクスの成功かどうかは定かではなくとも、米国や日本は比較的景気がいい状態にあることです。また人手不足がさらに深刻さを増してきており、アルバイトの時給も上昇してきます。これらは政権にとってのプラス材料です。また、内閣改造でマイナス材料が減ったことも大きいと思います。
8月月例経済報告「いざなぎ景気に並ぶ」(フジテレビ系(FNN)) - Yahoo!ニュース : 

プラス材料が多く、まだ安倍内閣の支持率回復基調が続きそうですが、ただ、まだ安心できないのは、安倍総理ご自身が、女性からの信頼を失い、生理的に嫌われてしまったと思われることです。こういった感情は簡単には消えません。

また加計問題が尾を引く可能性が残っています。結局は国家戦略特区のラベルをはったものの、状況から見て、加計学園にかなり便宜をはかったという疑いは消えません。問題は野党にどこまで追求する能力があるかのかだと思います。

あとは閣僚の不祥事が発覚したり、不用意な発言などがあると、一挙に支持率を失う可能性は高く、しばらくは安倍内閣の安全運転が続きそうです。

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