ほんとうに必要な議論というよりは、いきなり昔の名前ででている竹中平蔵さんが、50年も新設されていないというのは岩盤規制そのものだとおっしゃっていましたが、いかがなものでしょうか。同じ理屈でいうなら、1963年に開通した名神高速道路が最高で時速100キロメートルに規制されているのも岩盤規制だということになります。経済を専門にされているのなら、その規制を緩和することで、どのような経済効果が期待できるのかを語られることを期待しますが、そんな議論はどこからも聞こえてきません。
あまり議論されていないようですが、大学新設に関しては、文科省の硬直した規制を政治介入によって解放するという側面だけでなく、設立後も、国民の税金から交付金や補助金が支払われ、国民からすればそれは人材育成の投資戦略だということになってきます。問題を、今治の加計学園の獣医学部で岩盤規制を打ち破るという政治的選択と、四国の今治に獣医学部を新設し、そこに補助金をだして獣医の育成をして成果がでるのかという投資効果による精査だとして立ててみると、また違った視点がでてくるはずです。前者が内閣府の視点で、後者が文科相の視点です。
その違った視点から議論すれば、本来はよりよいプランや選択がでてきそうですが、そうならないのが残念なところです。
既得権益をもつ獣医師会などの圧力で一校になったということですが、その時点でまともな選択ではなくなってしまったということでしょう。
産業獣医師が必要だというのなら、産業獣医師専門校にできなかったのかとか、京都産業大学も認可し、学生数で調整ができなかったのか、なぜ、他の地域と比較して、さほど畜産業が盛んでなく、しかも衰退してきている四国の今治なのだろうかとかの疑問が残ります。
ちなみに学生一人あたりに支払われている年間の補助金は日本私大教連の資料によると国立大学の平均で年間180万円、私学は平均14万円です。大学によってずいぶん違いがあるようですが、医科大学が総じて多いという感じでしょうか。ランキングがでているサイトがあるのでご参照ください。
そういった政策の質に対する議論ではなく、野党はしきりに加計学園が安倍総理の友達だからなにか特別待遇があったのではないかとかとつっこんでいますが、もっと筋のいいところに議論を持っていってもらいたいものです。
民進党の方でもそういった指摘ができるかたがおられるのですが、残念ながら、そういった議論に持ち込めないのが今の民進党です。
安倍内閣への不信感を煽り支持率を落とすことができたとしても、決して民進党の支持につながらないのは、生産的な議論ではないからです。
安倍内閣は周辺の人材選択のミスから、予想したとおりに失速しはじめましたが、ここで野党は焦点を政局ではなく、政策に切り替えてもらいたいのです。しかし、今の第一野党の民進党にはそのセンスがありません。
安倍内閣は「人づくり革命」を掲げましたが、それは素晴らしいことです。しかし具体的にどうするのかが重要です。伝え聞くところによれば、幼児教育の無償化、高等教育の負担の軽減、一度社会に出た人が学校に通って技術や知識を身につける「リカレント教育」の拡充などだそうですが、これらは野党でも掲げることができる一般論で、世界に通じる人材育成をどのような新しい発想やアイデアで実現するのかのプランに期待したいところで、与野党でコンペをやっていただければ面白いではないでしょうか。民間の競争のように、知恵比べの政治に持ち込めないものでしょうか。
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