神戸新聞NEXT|社会|県知事選、若者の関心低い? 票獲得、陣営手探り :
地元兵庫県では知事選まっさかりです。小さな話題はテレビによく登場している勝谷誠彦氏が選挙に出たことでしょうか。現職の井戸知事はすでに4期を務め、今回は5選へのチャレンジです。
勝谷氏は、5選の長期県政では「忖度」ばかりの政治になってしまうということでの地元愛からの出馬のようですが、地元でその勝谷氏をテレビで見て知っている人たちの多くが首を傾げるのが、勝谷候補の変身ぶりです。勝谷出馬していたはずなのにいないとか、あれ誰?という静かな声が聞こえてきます。候補者4名の写真をご覧になって勝谷氏がすぐにおわかりになりますか。勝谷って誰?という方はこの記事をパスしてください。
かつて大阪府知事選で、橋下徹候補が、いきなり「金髪、無精髭」から「清潔、優等生」にイメージチェンジして成功したのに見習おうというのでしょうか。しかも、勝谷氏の特徴の悪態が出ていません。政見放送も控えめな口調で、「いいこと」を並べているだけです。
これって戦略的に損じゃないのかと心配しています。といっても別に勝谷氏を応援しているわけではありませんし、逆に一票を投じたくないわけでもありません。どんな提案をされるかによります。
さて、橋下知事誕生時との違いですが、大阪府の場合は現職だった太田房江知事が「政治とカネ」の問題などで立候補を断念し、とくに強い候補がいなかったこと、党本部ではなくとも自由民主党大阪府連の推薦・公明党大阪府本部の支持を受けていたこともあって、知名度の高さを利用できた、あとは知事にふさわしいかどうかが問われる選挙だったことです。
しかも、太田知事時代に膨らんだ府債5兆円の財政再建、大阪の長期的な地盤沈下、公立小中学校の学力低下など争点がありました。
状況が異なるのは、兵庫県にも経済の地盤沈下や、人材の東京流出などどの地方も抱えるさまざまな問題があったとしても、とくに井戸知事の大きな失政やスキャンダルなどがないことです。つまり立候補するにあたっては、何かの争点をつくりだして、そこに対立候補を巻き込まないと勝負になりません。「現職の批判はしない。明るく楽しい兵庫県」ということでは拍子抜けですね。
勝谷氏は右よりにポジショニングを行ってきたと思いますが、とくに愛国互助会ネットワークにも属していないために応援隊がなく、一匹狼としての出馬なので、ましてや尖った主張があったほうが存在感が高まりそうです。
つまりチャレンジャーとして果敢に現職に挑んだほうが、県民からの注目をあびるんじゃないでしょうか。そうなると、これまでの勝谷氏のイメージを継承するほうが、選挙が楽しくなります。今からでも再び変身、イメージチェンジして元の勝谷氏に戻っていただくことを期待して止みません。
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