マッチョなトランプ大統領もいかにもアメリカらしさを感じさせますが、スヌーピーが登場する「ピーナッツ」で、日常の世界に哲学とユーモアを持ち込んだ漫画家チャールズ・M・シュルツは、また別のアメリカらしさを感じさせてくれ、なにかほっとさせてくれていました。そのシュルツが描いたスヌーピーたちがカナダに移籍します。

さて、意地悪なキャラクターのルーシーが、アメリカンフットボールで地元チームが勝ったときに無邪気にはしゃいで喜んでいる傍ら、チャーリーブラウンが、負けたチームの人たちはどう感じているんだろうとつぶやいたり、どこか空のかなたに飛んでいってしまったライナスの毛布を追跡したアメリカは、いまも残っているのでしょうか。

このライナスの毛布事件はご存じない方もいらっしゃるかもしれないので、以前取り上げた過去記事を引用しておきます。
 
ライナスはチャーリーブラウンやスヌーピーが登場する漫画「ピーナッツ」にでてくる男の子です。いつも肌身はなさず毛布を持っていて手放しません。安心の毛布なのです。その毛布を悪戯ルーシーが、凧にして空高く飛ばします。気づいたライナスはパニック!ルーシーを責めるとルーシーは糸を手放してしまい、ライナスの毛布は空の彼方に飛んでいってしまいます。ここから事件が始まるのです。この漫画の読者から、作家シュルツのもとに、ライナスの毛布の目撃情報の手紙が殺到します。目撃情報を呼びかける新聞広告もでて、なんとテレビの全米ネットワークも巻き込んだ大捜索が始まったのです。

ちなみに、スヌーピー本のなかでは、文化という切り口でアメリカを語った新潮文庫の「スヌーピーたちのアメリカ」はいまは1円だそうですが、読んでみる値打ちはあるように感じます。


スヌーピーたちのアメリカ
広淵 升彦
新潮社
1993-08





そのシュルツは2000年に亡くなりましたが、2016年のフォーブスの「死後も稼ぎ続ける著名人」ランキングでマイケル・ジャクソンに次いで2位につける収入があったとか。ちなみに「死後も稼ぎ続ける著名人」を検索して調べてみると、第一位のマイケル・ジャクソンは、8億2,500ドルと突出していて、第二位のシュルツは4,800万ドル、それにアーノルド・パーマー、エルビス・プレスリー、プリンスが続いています。

そのシュルツのライセンスを管理しているピーナッツワールドワイド社の株を大半を持つアメリカのライセンス管理会社がその株を3億4500万ドル(約394億円)でカナダの会社に売却したそうです。ついに世界から愛されているスヌーピーたちも国境を超え、グローバル化の時代を迎えたのでしょうか。

というか、長年スヌーピーを広告のキャラクターとして使っていた生命保険会社のメットライフが2019年で契約を終了するので、赤字に苦しんでいるそのライセンス会社が売るタイミングと判断したということだそうです。詳しくはこちらの記事でどうぞ。


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