素晴らしい言葉だと思います。ユニクロの柳井会長が秋冬物の展示会にあわせて開かれた記者会見で強調されたそうです。2014年秋冬の新商品、また2015年秋冬の新製品と二度に渡って値上げを行った結果、既存店の客数の前年割れが続き、その影響で9〜2月期は、国内ユニクロの売上高も営業利益もマイナスとなってしまいました。その失敗を認めてのお話です。

マーケティングに絶対ということはありません。特に今日はますます市場の不確実性が増し、市場が不透明になってきています。だから一石を投じてみて、その結果から、なにがよく、なにが不足していたのかを学び、修正すべき点を修正し、新しい行動につなげていくダイナミックな発想が必要だということでしょう。そんなチャレンジを果敢に挑んでいくことが企業の活力なのかもしれません。


さて、ユニクロは価格を下げ、この失敗の修正をはかってきたのですが、4月の月次情報を見る限り、既存店の売上は101.3%となったものの、客数は92.8%と、客足が戻ったというにはほど遠い状態です。おそらく、今はまだ急場しのぎの段階で、秋冬になんらかを仕掛けてくるのでしょう。


日本の市場は難しい。きっとGAPもそう思っていると思います。GAPの低価格帯ブランド「オールドネイビー」もうまくいかず、日本市場から撤退させます。「アパレル業界の変化のペースが速くなっており、当社の変革も加速させる時期だ」とGAPのCEOが語っていますが、所得は伸びない、あるいは減少したものの、情報化はむしろ消費者の感度や感性のレベルをアップさせます。

それだけ「価値」に対しての目が厳しくなってくるのは当然のことです。しかしアパレルの場合は、供給側からすればその見極めが難しく、やってみて消費者の反応から学んでいくセンサーの感度や精度が問われてきているということでしょう。


柳井会長が、大胆に決断されるエネルギーを保たれている限り、きっとユニクロは復活してくるのではないでしょうか。ナイキやコカコーラなどでの実績を持ち、広告界で圧倒的な影響力を持つジョン・ジェイ氏を昨年スカウトし、よりクリエイティブな企業を目指した布石を打っていますが、それが成功するかどうかも注目しておきたいところです。

「ユニクロはクリエイティブではない」敏腕ジョン・ジェイは何を変えるのか - | Fashionsnap.com :



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