馬鹿のひとつ覚えのように「根性」を謳っていたかつてのスポーツは、国際試合になると海外勢のパワーの前に無残な姿ですごすごと敗退し、悔しい思いをさせられるというのが常でした。そのスポーツ界も今では大きく変わりました。体力、技術、作戦、そして勝利への執着の強さなど総合力がなければ勝てません。ビジネスも同じです。
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しかしビジネスの世界で閉塞感にさいなまれると、まるで亡霊のように、根性研修がまた登場してくるようです。いや根性研修だけなく、迷えるマネージャーの自己満足のために、カリスマ講師に救いを求め、現実を踏まえないマネジメント手法に学ぶ研修も増えてきます。

さて新入社員をいじめさながらに追い詰め、本気で仕事に立ち向かう意識づけを行うと謳った、どうみてもブラックな研修をTBSが取り上げそれが波紋を呼んだようです。
「皆さんの会社は採用ミス」新入社員に厳しい叱責、過酷な研修に波紋広がる

その研修を行っている会社のプロモーションビデオを見てみましたが幼稚そのもので、まるで漫画みたいと言えば、漫画に失礼な感じで、そんな単純な手口にひっかかる会社があることにむしろ驚きを感じます。

はたまた、ネットギークが指摘するように「過酷な研修が増えた背景には、時間も手間もかかる人材育成を放棄して『手っ取り早く会社の言うことを何でも聞く人間』を育てたいという企業側の思惑が見え隠れする」ということなのでしょうか。
【驚愕】洗脳を試みるブラック新人研修がテレビで放送されて炎上! | netgeek

講師そのものも、いかにも怪しいと感じるのですが、ネットギークによれば、やはりとくに人を研修するほどの実績もないようです。しかし世の中には、人の心に隙に入り込む才能は凄いと感じさせる、この講師のような人は結構いるように思います。

そもそも社会人としての躾、まして仕事に対する取り組みの心得がそんな短期間でできるものではなく、新入社員の人たちには社会人としてやっていく、ベーシックな知識を教えるだけでいいのです。名刺交換のマナー、電話の応対のマナーを教えてもらったことは何十年もたった今でも覚えています。

新入社員を根性で鍛えようというアプローチよりも、むしろ現場の創造力や問題解決力を高めるためのマネジメントの質をあげる努力に傾注するほうがはるかに成果がでます。とくに重要だと思うのは、新入社員よりも、入社後数年がたち仕事に慣れてきた若手の人の「考える力」を強化することではないでしょうか。それはオンザジョブだけでは不足しがちです。

もし閉塞感があるとすれば、問題は新入社員ではなく、むしろ仕事の仕方、組織のマネジメントのほうに原因があるのかもしれないとちらっとでも問題意識を持てば、まずはこういったブラックな研修にはひっかからないのではないでしょうか。

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