またもや巨人の高木投手の野球賭博への関与が発覚し、渡邉恒雄最高顧問、また白石興二郎オーナー、桃井恒和球団会長の3人が辞任する意向です。高橋由伸新監督にとっては苦い状況でのスタートとなりました。
さて渡邉最高顧問といえば、いろいろと話題が絶えない方ですが、記憶に残っているといえば、なんといっても2004年のプロ野球再編問題と2011年の清武英利元球団社長との確執、いわゆる「清武の乱」です。
とくに2004年の近鉄とオリックスの合併によるプロ野球再編問題は、新規参入を望むライブドアの堀江氏と球団を減らしたい渡邉氏でプロ野球のあり方をめぐる互いの立場、利害の対立が浮き彫りになりました。
それも当然です。読売新聞にとっては、巨人軍の全国放送のテレビ中継でファンを広げ、読売新聞の拡販のキラーアイテムでした。地域に根ざした球団が増えれば、巨人軍のファンを奪われます。だからプロ野球人気が落ちれば、球団数を減らして、巨人のファン数を維持するという発想になります。
福岡にダイエーホークスが本拠地を移して以来、九州は巨人からホークスにファンが移りました。北海道といえば、かつては道民の多くが巨人ファンでしたが、今では日本ハムファイターズ一色で、東北といえば今や楽天イーグルスです。
球団数を減らし既得権益を守ろうとした渡邉氏と、むしろプロ野球への新規参入は、ブランド認知を広げるチャンスととらえたライブドアの堀江氏では水と油でした。
新聞の発行部数を争う、つまりシェア競争ではなりふり構わない、その象徴が巨人だったのではないでしょうか。そして対立相手を容赦なく叩く怖さを、プロ野球再編問題で、また当時は巨人軍球団社長の「清武の乱」でむき出しにしてきたのが「ナベツネ」でした。
ちなみに、読売が一億円の損害賠償を求めた裁判では、清武氏に160万円の支払いを命じる東京地裁判決が確定しましたが、逆らうものは許さない恐怖政治を感じさせてしまった代償のほうが大きかったのではないでしょうか。
清武氏への賠償命令が確定 プロ野球巨人軍の球団代表解任訴訟 - 産経ニュース
そんなナベツネの発想が通じるのは、高度成長期のようにパイが広がっている時代ならではです。市場のパイが広がっている間は、相手との戦闘で勝利すれば自ずと市場や企業の中での主導権を手に入れることができます。
しかし今や時代は変わりました。新聞メディアという産業が成熟から衰退期に入り込み、新聞メディアの価値そのものが揺らいできています。プロ野球も各球団の努力もあって観客動員数でこそ、それなりの数字をキープしていますが、テレビは肝心の稼ぎの中心の首都圏で視聴率がとれなくなってしまいました。
読売新聞は、必達であったはずの「販売部数1000万部超」など夢のまた夢となり、巨人も、もはやテレビの視聴率は一桁台しかとれず、昨年はグループの日テレも7月で巨人戦の中継を打ち切ってしまっています。
渡邉氏の巨人軍最高顧問の辞任は、時代の節目を感じます。プロ野球での読売の影響力や支配力は確実に落ち、プロ野球活性化にむけた改革を進めるチャンスが来たのかもしれません。球団のオーナー企業の構成も変わりました。遅きに失したということだけにはならないことを願うばかりです。
しかし読売新聞は厳しいのではないかと感じます。独裁体制を築き、グループで地位があがるほど従順にならざるをえない体質を築いてしまったことは、価値観が多様化し、複雑化してきた時代のなかでは、やがて「負の遺産」となってきます。
今は、朝日新聞が、慰安婦問題で社内の硬直した官僚体質が露呈し、全国紙では、発行部数でもっとも落としています。メディアとしての立ち位置の取り方が、今だけを取れば読売には追い風でしょうが、それでも新聞メディアの凋落に歯止めはかけられず、時代に適応できなくなってきていることは同じでしょう。
巨人だけでなく、そろそろ読売新聞の主筆としての渡邉氏に引導を渡し、大きく変革を進める次世代リーダーが現れないのでしょうか。そうでなければ読売新聞も時代の激流に押し流されていくのだと思います。まあ、それでも惜しくないと感じるほどの価値しかなくなってきているのでしょう。
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とくに2004年の近鉄とオリックスの合併によるプロ野球再編問題は、新規参入を望むライブドアの堀江氏と球団を減らしたい渡邉氏でプロ野球のあり方をめぐる互いの立場、利害の対立が浮き彫りになりました。
それも当然です。読売新聞にとっては、巨人軍の全国放送のテレビ中継でファンを広げ、読売新聞の拡販のキラーアイテムでした。地域に根ざした球団が増えれば、巨人軍のファンを奪われます。だからプロ野球人気が落ちれば、球団数を減らして、巨人のファン数を維持するという発想になります。
福岡にダイエーホークスが本拠地を移して以来、九州は巨人からホークスにファンが移りました。北海道といえば、かつては道民の多くが巨人ファンでしたが、今では日本ハムファイターズ一色で、東北といえば今や楽天イーグルスです。
球団数を減らし既得権益を守ろうとした渡邉氏と、むしろプロ野球への新規参入は、ブランド認知を広げるチャンスととらえたライブドアの堀江氏では水と油でした。
新聞の発行部数を争う、つまりシェア競争ではなりふり構わない、その象徴が巨人だったのではないでしょうか。そして対立相手を容赦なく叩く怖さを、プロ野球再編問題で、また当時は巨人軍球団社長の「清武の乱」でむき出しにしてきたのが「ナベツネ」でした。
ちなみに、読売が一億円の損害賠償を求めた裁判では、清武氏に160万円の支払いを命じる東京地裁判決が確定しましたが、逆らうものは許さない恐怖政治を感じさせてしまった代償のほうが大きかったのではないでしょうか。
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そんなナベツネの発想が通じるのは、高度成長期のようにパイが広がっている時代ならではです。市場のパイが広がっている間は、相手との戦闘で勝利すれば自ずと市場や企業の中での主導権を手に入れることができます。
しかし今や時代は変わりました。新聞メディアという産業が成熟から衰退期に入り込み、新聞メディアの価値そのものが揺らいできています。プロ野球も各球団の努力もあって観客動員数でこそ、それなりの数字をキープしていますが、テレビは肝心の稼ぎの中心の首都圏で視聴率がとれなくなってしまいました。
読売新聞は、必達であったはずの「販売部数1000万部超」など夢のまた夢となり、巨人も、もはやテレビの視聴率は一桁台しかとれず、昨年はグループの日テレも7月で巨人戦の中継を打ち切ってしまっています。
渡邉氏の巨人軍最高顧問の辞任は、時代の節目を感じます。プロ野球での読売の影響力や支配力は確実に落ち、プロ野球活性化にむけた改革を進めるチャンスが来たのかもしれません。球団のオーナー企業の構成も変わりました。遅きに失したということだけにはならないことを願うばかりです。
しかし読売新聞は厳しいのではないかと感じます。独裁体制を築き、グループで地位があがるほど従順にならざるをえない体質を築いてしまったことは、価値観が多様化し、複雑化してきた時代のなかでは、やがて「負の遺産」となってきます。
今は、朝日新聞が、慰安婦問題で社内の硬直した官僚体質が露呈し、全国紙では、発行部数でもっとも落としています。メディアとしての立ち位置の取り方が、今だけを取れば読売には追い風でしょうが、それでも新聞メディアの凋落に歯止めはかけられず、時代に適応できなくなってきていることは同じでしょう。
巨人だけでなく、そろそろ読売新聞の主筆としての渡邉氏に引導を渡し、大きく変革を進める次世代リーダーが現れないのでしょうか。そうでなければ読売新聞も時代の激流に押し流されていくのだと思います。まあ、それでも惜しくないと感じるほどの価値しかなくなってきているのでしょう。
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