アップルは2011年にエクソンの時価総額を抜き、それ以降、再びエクソンに首位を譲った時期があったものの、長らくトップの座に君臨してきました。そのアップルを時価総額で、グーグルの持株会社アルファベットが抜いたことがニュースに流れています。ロイターなど、「米ハイテク業界のけん引役がアップルからアルファベットにバトンタッチしたことを示唆している」としていますが、どうなんでしょうね。
米アルファベット、時価総額が米企業で最大 アップル追い抜く | Reuters
米アルファベット、時価総額が米企業で最大 アップル追い抜く | Reuters
株価が不安定になり、甘利大臣の辞任騒動があったものの、安倍内閣の支持率がむしろ上昇したりして、先の事はわからない、世の中の空気がどう動くのかは理屈じゃない、ケセラセラですが、ほんとうにグーグルが次の時代を牽引する役割を果たせるのかは、まだわからないように感じます。
アルファベットの株価が上昇したのは、モバイル向けの動画広告などが好調で、2015年10〜12月期決算は、売上高が前年同期比18%増の213億2900万ドル(約2兆5800億円)、純利益が5%増の49億2300万ドルの快進撃であったことが大きく影響したのでしょう。それはあくまで「今」の勢いで、「明日」もそうありつづけるのかはわかりません。
ITの業界の成長エンジンが、大型コンピュータからPCに、そしてPCからモバイルに移るにつれ、IT業界の時価総額のトップは、IBMからマイクロソフトに、そしてマイクロソフトからアップルに移ってきました。しかしその次に時代を牽引するのが何か、また誰が主役となるのかはまだ見えてきていないように思えます。
クラウド・コンピューティングへの移行によるIT業界構造の変化、IOT(モノのインターネット)がもたらす産業構造への衝撃、自動運転などへの流れが登場してきて、どれもが大きく時代を変えるパワーを秘めているとしても、まだ具体的にはどうなっていくのか、どの企業がこういったイノベーションのレースから飛び抜けリーダーになっていくのかが未確定だからです。時代の端境期なのでしょう。
しかし確実に言えることは、アップルにはその次を拓く芽も見えず、成長に疑問符がつき始めていることです。
昨年の2015年に、時価総額の変化で印象的だったのは、グーグルがエクソンを追い抜いたこと、またアップルが業績は過去最高を記録しながら、株価が下がり続けたこと、またアマゾンのランクアップでした。
ちなみに、アップルの時価総額は、2015年の4月末の7,506億ドル(約88.4兆円)をピークに、12月末には5,869億ドル(約68.9兆円)となり、8ヶ月で19.5兆円、およそ20%強が消えてしまったのです。
2016年に入っても、アップルの時価総額の減少に歯止めがかからず、ついにグーグルに抜かれたという感じがなきにしもあらずです。
ではグーグルの次の成長エンジンはなにでしょうか。自動運転の車でしょうか。人工知能でしょうか。自動運転の世界は、グーグルのようなIT企業、自動車産業、センサーや制御、またナビなどのサプライヤーなど参加している企業が多く、グーグルが市場を支配できるとは限りません。
今、成長分野となってきたクラウド・コンピューティングのインフラやプラットフォームを提供するサービスでは、グーグルはアマゾンに大きく差をつけられ、マイクロソフトの後塵をも拝しています。結局、グーグルはさまざまな技術を生み出す素晴らしい企業だとしても、いまだに広告で収益を得る企業から抜けだしていません。
さて時価総額で時代を感じる象徴的なもうひとつの出来事は、ファイスブックがエクソンを抜いたことです。時価総額が、社会に対する貢献への期待感を映す指標だとすれば、もはや製造業はその舞台では脇役に過ぎなくなりました。製造業に求められているのは、モノづくり技術への過度なこだわりで、「製造業」を極めることではなく、業態の進化ではないでしょうか。
モバイルの活用が広がる営業支援システム アクションコックピット
アルファベットの株価が上昇したのは、モバイル向けの動画広告などが好調で、2015年10〜12月期決算は、売上高が前年同期比18%増の213億2900万ドル(約2兆5800億円)、純利益が5%増の49億2300万ドルの快進撃であったことが大きく影響したのでしょう。それはあくまで「今」の勢いで、「明日」もそうありつづけるのかはわかりません。
ITの業界の成長エンジンが、大型コンピュータからPCに、そしてPCからモバイルに移るにつれ、IT業界の時価総額のトップは、IBMからマイクロソフトに、そしてマイクロソフトからアップルに移ってきました。しかしその次に時代を牽引するのが何か、また誰が主役となるのかはまだ見えてきていないように思えます。
クラウド・コンピューティングへの移行によるIT業界構造の変化、IOT(モノのインターネット)がもたらす産業構造への衝撃、自動運転などへの流れが登場してきて、どれもが大きく時代を変えるパワーを秘めているとしても、まだ具体的にはどうなっていくのか、どの企業がこういったイノベーションのレースから飛び抜けリーダーになっていくのかが未確定だからです。時代の端境期なのでしょう。
しかし確実に言えることは、アップルにはその次を拓く芽も見えず、成長に疑問符がつき始めていることです。
昨年の2015年に、時価総額の変化で印象的だったのは、グーグルがエクソンを追い抜いたこと、またアップルが業績は過去最高を記録しながら、株価が下がり続けたこと、またアマゾンのランクアップでした。
ちなみに、アップルの時価総額は、2015年の4月末の7,506億ドル(約88.4兆円)をピークに、12月末には5,869億ドル(約68.9兆円)となり、8ヶ月で19.5兆円、およそ20%強が消えてしまったのです。
2016年に入っても、アップルの時価総額の減少に歯止めがかからず、ついにグーグルに抜かれたという感じがなきにしもあらずです。
ではグーグルの次の成長エンジンはなにでしょうか。自動運転の車でしょうか。人工知能でしょうか。自動運転の世界は、グーグルのようなIT企業、自動車産業、センサーや制御、またナビなどのサプライヤーなど参加している企業が多く、グーグルが市場を支配できるとは限りません。
今、成長分野となってきたクラウド・コンピューティングのインフラやプラットフォームを提供するサービスでは、グーグルはアマゾンに大きく差をつけられ、マイクロソフトの後塵をも拝しています。結局、グーグルはさまざまな技術を生み出す素晴らしい企業だとしても、いまだに広告で収益を得る企業から抜けだしていません。
さて時価総額で時代を感じる象徴的なもうひとつの出来事は、ファイスブックがエクソンを抜いたことです。時価総額が、社会に対する貢献への期待感を映す指標だとすれば、もはや製造業はその舞台では脇役に過ぎなくなりました。製造業に求められているのは、モノづくり技術への過度なこだわりで、「製造業」を極めることではなく、業態の進化ではないでしょうか。
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