週刊ダイヤモンド12月12日号は「手帳術・情報管理術」の特集ですが、「夢に日付を」を座右の銘とし、「手帳原理主義」の教祖ともいえそうなワタミ創業者の渡邉美樹氏へのインタビュー記事「『かつての和民は強すぎた』創業者・渡邉美樹氏激白!」を同号に掲載したことはダイヤモンド級のジョークなのでしょうか。
渡邉美樹氏の手帳術は、さまざまなメディアでのこれまでの発言で、夢を目標に置き換え、達成の期限を定め、その目標を追ってひたすら行動すれば成功を手に入れることができるというものです。ずいぶんカルト的ないかがわしさを感じていた人も少なくないはずです。
しかし渡邉美樹氏の手帳術というか手帳哲学は、ひとつの成功パターンを追求していれば目標にむけて最短の道を進めた時代には通用しても、ひとびとの価値観や消費マインドの大きな変化の前には無力だったようです。いやむしろそれが災いしたのかもしれません。
予測しえない変化がやってきたときには、現実のなかで格闘しながら、どう柔軟に舵をきり、変化に対応すべきか、なにを捨て、なにを取るのかを選択する能力が求められます。通じなくなった「勝ちパターン」を捨てられず、いつまでも、ひたすら追求し極めようとすればするほど、現実からさらに遠ざかってしまい、変化に対応できなくなります。
このインタビュー記事のなかで、渡邉美樹氏が「僕が経営していたら、こんなことにならなかった」という発言があり、ネットでは痛烈な批判や失笑も散見されます。ブラック企業と批判された際に、火に油を注ぐようなカルト的な発言を行い、ワタミをさらに厳しい立場に追い込んだのがご本人だということなど、見えなくなってしまっているのでしょうか。
渡邉美樹氏は、「どうしようもない状態になったら(ワタミに)戻ります」と考えておられるようですが、次の発言を見る限り、渡邉美樹氏にワタミを立て直すことは難しいと感じてしまいます。
「バーガー戦争」勝ち組はモスフード “迷走”マックとの違いは… (産経新聞) - Yahoo!ニュース
ワタミが「限りなく個人店に近づく」というものの、ワタミで働く社員の人たちが、個人店の個性や店主のこだわりを持てるのか、またお客さんとの「個人的な」つきあい、ネットワークを育てることができるのかと考えると、「目標」そのものが危うすぎるのです。結局は「個人店もどき」で終わってしまいます。
もしかすると渡邉美樹氏は、自らの手帳哲学で、自らの野心を実現する思考パターンに偏ってしまい、顧客やそこで働いているひとたちの現実が見えなくなってしまった、その結果が今日のワタミの危機を招いているのではないでしょうか。
変化の時代は、やってみて、成功や失敗から、現実を学び、また新たな選択肢を発見しつづけるということが重要なはずですが、渡邉美樹氏の手帳術にはそれが感じられません。

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しかし渡邉美樹氏の手帳術というか手帳哲学は、ひとつの成功パターンを追求していれば目標にむけて最短の道を進めた時代には通用しても、ひとびとの価値観や消費マインドの大きな変化の前には無力だったようです。いやむしろそれが災いしたのかもしれません。
予測しえない変化がやってきたときには、現実のなかで格闘しながら、どう柔軟に舵をきり、変化に対応すべきか、なにを捨て、なにを取るのかを選択する能力が求められます。通じなくなった「勝ちパターン」を捨てられず、いつまでも、ひたすら追求し極めようとすればするほど、現実からさらに遠ざかってしまい、変化に対応できなくなります。
このインタビュー記事のなかで、渡邉美樹氏が「僕が経営していたら、こんなことにならなかった」という発言があり、ネットでは痛烈な批判や失笑も散見されます。ブラック企業と批判された際に、火に油を注ぐようなカルト的な発言を行い、ワタミをさらに厳しい立場に追い込んだのがご本人だということなど、見えなくなってしまっているのでしょうか。
渡邉美樹氏は、「どうしようもない状態になったら(ワタミに)戻ります」と考えておられるようですが、次の発言を見る限り、渡邉美樹氏にワタミを立て直すことは難しいと感じてしまいます。
しかし、今のお客さまは、チェーンストア理論を好きでないと言っている。均一化された280円の物より、380円でいいから、そこにしかない物が食べたい、お金の使い方や価値観が変わった。同じ業態で1,000店舗つくるのがチェーンストア理論。もうそこから離れて、限りなく個人店に近づいたほうがいい。それなら、他の外食チェーンもすべてが経営赤字に追い込まれているはずですが、現実はそうではありません。ワタミは、価値をめぐる競争の時代に、消費者が求めはじめたより高度な価値を提供できなかっただけです。マクドナルドと同じです。
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ワタミが「限りなく個人店に近づく」というものの、ワタミで働く社員の人たちが、個人店の個性や店主のこだわりを持てるのか、またお客さんとの「個人的な」つきあい、ネットワークを育てることができるのかと考えると、「目標」そのものが危うすぎるのです。結局は「個人店もどき」で終わってしまいます。
もしかすると渡邉美樹氏は、自らの手帳哲学で、自らの野心を実現する思考パターンに偏ってしまい、顧客やそこで働いているひとたちの現実が見えなくなってしまった、その結果が今日のワタミの危機を招いているのではないでしょうか。
変化の時代は、やってみて、成功や失敗から、現実を学び、また新たな選択肢を発見しつづけるということが重要なはずですが、渡邉美樹氏の手帳術にはそれが感じられません。
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