ワタミの介護事業を損保ジャパン日本興亜ホールディングスに売却することが検討されていると報じられています。ワタミは、報道は自ら発表したものではなく、まだ決定したものでないと二度にわたってコメントしていますが、資金繰り倒産を避けるために他にどんな選択肢があるのか想像がつきません。
ワタミの経営は、デフレ時代に、「低料金の総合居酒屋」という業態で時代の波に乗ったのですが、創業者の神がかり的でブラックな理念で、従業員の人たちに肉体的にも精神的にも無理な負担を強いて、低賃金、長時間労働を徹底することで成り立っていたのだと思います。それが、ブラック企業の烙印を押され、その手法が通じなくなると一挙にこのビジネスモデルは崩壊していきます。

カンブリア宮殿で村上龍さんとの対談で、
・「無理」というのはですね、嘘吐きの言葉なんです。途中で止めてしまうから無理になる
・止めさせないんです。鼻血を出そうがブッ倒れようが、とにかく一週間全力でやらせる
・そうすればその人はもう無理とは口が裂けても言えない
といった発言を平気でする神経は尋常ではなく、むしろワタミが成り立っていたことのほうが奇跡だったのかもしれません。
このワタミ社長の発言本当ですか? - カンブリア宮殿でのワタミ社長と村上龍のや... - Yahoo!知恵袋

渡邉氏のさまざまな迷言から浮き上がってくるのは、働く人たちになにを提供できるのかを自らに厳しく課すのではなく、ただただ働く人たちに完璧な仕事を求めるだけの一方通行の発想です。

本業の再建のために、いろいろ手変え品変えやっても、客離れから売上は落ち、膨らむ赤字に歯止めが効きません。それも、なにか本質的な新しい価値づくりにはむかわず、目先を変えるだけだからです。

昨年WIN-WINというよりは、懐かしさいっぱいの花畑牧場とコラボするという微笑ましい迷走に始まって、ターゲットを高齢層に変えたと思えばまた戻したり、メニューを減らしたり、また増やしたりと試みるも、売上減と赤字増に歯止めがかかる気配すらありません。
ワタミと花畑牧場のコラボってどうなんだろう

資金調達を行って、なんとか資金繰りの手当をしたワタミですが、そろそろ本業の赤字に歯止めをかけないと、いくら介護事業売却で資金を得ても下手をすると使い果たすことにもなりかねません。

絶不調といえば、マクドナルドも昨年の8月の実績が最悪だったので、売上はわずかながらプラスとなりましたが、まだ沈んだままです。マクドナルドとワタミに共通するのは、どのような価値を提供しようとしているのかの理念が弱く、また新しい価値を創造しようとせず、あれこれと小さな手を打つことの繰り返しばかりやっているということでしょうか。


SFAによる顧客管理ならアクションコックピット
モバイルの活用がj広がる営業支援システム アクションコックピット