安倍総理と菅官房長官のコンビで安定感があった安倍内閣ですが、このところさまざまな発言でほころびが目立つようになってきました。無難さや安定感失うと、安倍内閣の存在意義は失われます。  直近に行われた3つの世論調査、朝日新聞(11、12日実施)、NHK(10〜12日実施)、日本テレビ(10〜12日実施)のいずれもで、わずかとはいえ、安倍内閣への支持率を不支持率が上回る結果になりました。しかし、安保法制の採決、新国立競技場のゼネコンとの正式契約が重なれば、一挙に危険水域の30%を割る支持率の急降下も十分に想定できる状況になってきました
まずは安保法制問題ですが、砂川判決を持ちだしたことに当初から無理がありました。
衆院憲法審査会に招かれた与党推薦の長谷川氏を含む憲法学者3人全員が「違憲」とした珍事が起こり、あわてた 菅官房長官が根拠もなく「全く違憲でないという著名な憲法学者もたくさんいる」としてしまいました。
朝日新聞がそれを受けて実施した憲法学者へのアンケートでは、「憲法違反にはあたらない」としたのは、122名のなかで2人しかいなかったのです。たくさんいらっしゃるのなら、呼んできてとツッコミを許す、うかつで、その場をつくろう発言でしかなかったのです。
自民党推薦の学者まで「違憲」をとなえた衆院憲法審査会、その珍事の裏側とは?http://blogos.com/article/116816/

そして安倍総理も脇の甘さを見せてしまいます。新国立競技場問題で、民主党の辻元清美議員の質問に、「オリンピックを誘致する際に、国際コンペをやってザハ案というのが決まった。国際コンペをやると約束し、監修権等をザハさんに与えると決まったのが 2012年11月、我々が政権につく前のことだ。事実として述べると、民主党政権時代に、ザハ案でいくということが決まり、オリンピックを誘致することが 決まった」と答えてしまったのです。それなら民主党にオリンピックは任せるべきです。

民主党の悪口ネタで自己満足するネトウヨは喜ばせたとしても、まるで他人ごとのようで、日本のリーダーとしての責任を自ら放棄したに等しい発言です。 ネトウヨと同レベルだと自ら示してしまいました。辻元議員のトラップにひっかかるようでは、この状況を打開できる力量があるとは誰も感じません。
また「しかし、この案をやめて新たに国際コンペを行ってデザインを決めることをやっていては、2019年のラクビー・ワールドカップに間に合わない」とおっしゃったようなのですが、普通に考えれば、コンペで、第一位をとった案がコンペの条件に違反しているとわかった時点で、第ニ位の案を採用したらいいだけです。「間に合わない」とする関係者に騙されているとしか受け取れない発言をしてしまったのです。
新国立競技場について安倍首相「民主党時代に決まったこと」

いくら安保法制は米国との約束、しかも改憲手続きなしに、時の政権が憲法解釈でなんとでもできるという前例をつくるというのはいかがなものかと考える人が多いのは、日本も健全な国だと感じます。これは右とか左、保守とか革新とかいう問題ではありません。

今日の世界情勢を見れば、集団的自衛権を認めることが現実的、あるいは日本の国益にもかなうとは思いますが、そのためには改憲議論をしっかり熟成させ、国民の総意として選択すべき問題だと思います。安保法制を変えることに関しては、小林よしのりさんがおっしゃるように、さほど緊急性があるとは思えないからです。緊急性があるのなら、もっと具体的な説明ができるはずです。
 森喜朗さんの夢が国民を奈落に連れていく?

とくに、他の先進国と比較して、 日本の政治家や政府が国民から両手をあげては信頼されていないのです。そんな日本で、時の政権を監視する憲法がなし崩しになっていくというのはいかがなものかと感じます。

反日では手段を選ばない韓国と中国が連携した難しい状況を、現実主義で乗り越えてきたにもかかわらず、産業革命遺産の登録問題で効を焦ってか、韓国に譲歩してしまったことも筋が通らず、疑問に感じさせる出来事でした。いずれにしても、米国からの強い要請を受けて安倍内閣は安保法制を押し通すでしょう。そして新国立競技場もそのままというのでは、安倍内閣から国民の心が離れていくことは目に見えているのではないでしょうか。


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