ファミリーマートとユニーの来年9月予定の経営統合にむけて、両社による最初の統合検討委員会が開催されたようです。ファミリーマートとユニーのサークルKサンクスが統合されると店舗数で、セブンイレブンを抜き、また売上高でもローソンを抜き、第二位に浮上してくることになります。さて、この統合によってコンビニ業界の競争地図が大きく変わってくるのでしょうか。

ユニーグループHDの佐古則男社長は、「コンビニについては(セブン‐イレブン・ジャパンとわれわれの)2強ということになる。真っ向勝負ができる規模になりえた」と意気軒昂に抱負を語っておられますが、肝心のライバルの セブンイレブンも、ローソンも、反応は冷ややかです。
 セブン会長「無関心」と切って捨てられた“負け組”ファミマ・ユニー統合交渉の「成否」(1/6ページ) - 産経ニュース
 「くっついても個店の力は強くならない」 ファミマ・ユニー統合でローソン社長 - SankeiBiz(サンケイビズ

確かに、経営統合によって店舗数や売上規模が大きくなれば、それによって物流の効率化や仕入れ交渉力アップ、地域での占有率アップなどの効果は得られそうですし、サークルKサンクスのFC店の集団離脱への歯止めにもなってきそうです。しかし今、コンビニが抱えている課題はそんな経営効率アップの問題ではないから、セブンイレブンもローソンも気にならないのでしょう。

 コンビニという業態はあきらかに成長性を失っています。既存店の月次の売上高対前年比推移を見ればそれがあきらかで、2013年以降は消費税増税の駆け込み需要での伸びを除けば、むしろマイナス成長の段階に入ってきました。店舗数を増やすことでかろうじて全店の売上を伸ばしているに過ぎません。

コンビニ

 課題はあきらかです。なんらかの新しいサービスや商品展開をはかることで新しい需要を取り込み、それぞれの店の売上を伸ばしていくこと、またPBの商品力をアップして、その魅力で集客力を伸ばすこと、その組合せになってきます。

そういう視点で見ると、おそらくファミリーマートとサークルKサンクスがくっついたところで魅力がアップしないと感じる方が多いのではないでしょうか。結局はライバルのセブンイレブンも、ローソンもそんなところを見ているのでしょう。しかし、経営統合を機に、サービス開発力や商品開発力のテコ入れを行っていけば、面白い展開になってくることもあり得ることです。

サービス開発力や商品開発力となると、 それを担う人材の能力や外部とのネットワーク力が極めて重要になってきますが、統合するだけでなく、そういった組織能力へのテコ入れも見てみたいものです。

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