統合型リゾート施設誘致で反対があり障害になっているのがカジノです。反対の根拠は、ギャンブル依存症が増えるとか、治安への不安、また裏社会の温床になるといったものでしょう。しかし、こういった考え方には現在の日本はギャンブル王国だという現実を踏まえていないのではないかと感じてしまいます。
先日、兵庫と大阪で対立するカジノ誘致に関して、兵庫県が反対する理由を斜め目線であげてみましたが、長年ずいぶんお世話になっている方から、もうすこしつっこんで書いてみてはとリクエストを頂いたので、日本のギャンブル市場規模についてまとめてみました。
大西 宏のマーケティング・エッセンス : 大阪と兵庫のカジノをめぐる対立を裏から見れば
日本はなにを隠そうギャンブル王国です。ギャンブルの種類も多く、野球賭博などのように裏で行われているものを除いても、パチンコ、スロット、競馬、競輪・オートレース、競艇、宝くじとギャンブルが揃っています。
それぞれが、どれくらいの規模なのか、売上で比較してみましょう。
宝くじは、ロト7が柳葉の人気CMで一躍知れわたり、さぞかし売上も多いのか錯覚させられますが、宝くじ全体の売上高は、2012年度に一兆円を割り込み、2013年度も9,445億円にとどまっています。
昨年度の宝くじ販売はロト7だけ好調 全体で3%増も他は軒並み減 - SankeiBiz(サンケイビズ)
競艇は、2013年度で9475億円、ほぼ宝くじと同じです。
売上関係 | 一般社団法人 全国モーターボート競走施行者協議会
競輪・オートレースが2013年度で6,063億円。
競輪・オートレースを巡る 最近の状況について - 経済産業省(PDF)
競馬はJRAが 2013年度の売上が24,118 億円で、地方競馬全体の2013年度の売上が3,553億円なので合わせて、2兆7671億円の売上です。
JRA 経営に関する情報 - JRA
地方競馬情報サイト 地方競馬開催成績
パチンコはどうでしょうか。パチンコ店は景品しかだせず、それを景品交換所で換金する方式で、グレーを装っているのですが、実質はギャンブルです。
三店方式 - Wikipedia
一般社団法人遊戯関連事業協会のホームページに、公益財団法人 日本生産性本部「レジャー白書2014」のデータが紹介されています。
こちらで見ると、2004年におよそ30兆円近くあった売上(貸玉料)が、2013年には18兆8180億円に減少しています。それでも、他のギャンブルとは一桁違う規模です。
特定企業を対象とした経産省の統計では、市場全体の規模はわかりませんが、平成25年にそれまで対象としていなかった遊技機(おそらくパチスロ)を加えた結果、数字が跳ね上がっているので、レジャー白書でのパチンコの売上減は、ただパチスロと入れかわった結果にすぎず、もしかするとパチスロを加えると、もっと売上規模が大きいのかもしれません。さだかではありません。
売上・参加人口・活動回数|一般社団法人 日本遊技関連事業協会
遊技業界データベース|一般社団法人 日本遊技関連事業協会
日本のギャンブル産業の売上規模
つまり日本のギャンブルでの売上は、パチンコがもっとも大きく、全体をあわせると24兆円規模にまで達しているのが現実です。世界でも類を見ない賭博王国ではないかと感じます。
ちなみに今ではマカオに抜かれてしまったようですが、カジノの盛んなアメリカでの、カジノ市場規模は4兆6000億円程度ということなので、日本のパチンコ産業は、その4倍の規模です。あるいはそれ以上かもしれません。お隣の韓国はカジノの売上は、300億円程度といわれています。
質が悪いと感じるのはパチンコやスロットです。ふつうの国なら生活圏から離れたカジノにしかないスロットマシーンが、堂々と生活圏のなかに溶け込んでいるのですから。しかもグレーにしていたとしても実質は賭博です。
先月でしたか、内田樹さんという学者さんが朝日新聞の取材をうけた内容をブログに書かれていました。それを読んだときに、あまりに筋が通っていないのではないかと感じてしまいました。
内田樹さんは、かならずしもギャンブルがまったく駄目だというのではないにしても、概ねパチンコはOKで、カジノは駄目だというのです。根拠はこそこそ景品交換をしているからパチンコはいいというのです。
儀礼かなにか知りませんが、およそ19兆円、もしかするとそれ以上がパチンコやスロットにつぎ込まれ、グレーであるために、警察OBなどの利権が生まれ、生活圏に賭博場が広がってしまったのです。そのパチンコで得られた収益が北朝鮮などの海外に流れてきたことも問題視されてきました。
身近なギャンブルだから、ギャンブル依存症になってしまう確率も高くなってきます。パチンコで負けて消費者金融を頼り、借金苦で離婚する、また万引きに走ったり、場合によっては自殺にまで追い込まれる、またパチンコを巡った主婦売春なども社会問題になっています。
そんな悲劇が起こっても、儀式を通してグレーにしているからいいという主張は、凡人には理解不能です。
海外から見れば、カジノにしかないはずのスロットが町のあちこちにあるという光景はきっとアンビリーバブルに映るのではないでしょうか。
ギャンブルは我慢したら止められない NHK放送 主婦のパチンコ依存
つまりパチンコ産業を放置しておいて、しかも生活圏から離れたところにできるにもかかわらず、カジノは駄目だという議論はおかしいのです。またカジノでもっとも利用者の多いのがスロットですが、もうすでに日本中に広がっているのですから、ましてです。
またカジノの場合は、さまざまな規制をかけることも、入場に制限を加えることも、パチンコに比べれば、あるいはその他のギャンブルとくらべても可能なはずです。なんらかの利権をもった人もカジノ反対を煽っているのかもしれませんね。
ほんとうの焦点は、カジノにあるのではなく、大規模な国際イベントも開催ができ、海外からの集客を担う統合型リゾート施設が必要かどうかだということを議論をすることが筋のはずです。その一部であるカジノだけを取り上げ、賛成か、反対かとする議論はあまり健全とは感じません。ましてそれがギャンブル漬けの日本で展開されるとは奇妙な話です。
大西 宏のマーケティング・エッセンス : 大阪と兵庫のカジノをめぐる対立を裏から見れば
日本はなにを隠そうギャンブル王国です。ギャンブルの種類も多く、野球賭博などのように裏で行われているものを除いても、パチンコ、スロット、競馬、競輪・オートレース、競艇、宝くじとギャンブルが揃っています。
それぞれが、どれくらいの規模なのか、売上で比較してみましょう。
宝くじは、ロト7が柳葉の人気CMで一躍知れわたり、さぞかし売上も多いのか錯覚させられますが、宝くじ全体の売上高は、2012年度に一兆円を割り込み、2013年度も9,445億円にとどまっています。
昨年度の宝くじ販売はロト7だけ好調 全体で3%増も他は軒並み減 - SankeiBiz(サンケイビズ)
競艇は、2013年度で9475億円、ほぼ宝くじと同じです。
売上関係 | 一般社団法人 全国モーターボート競走施行者協議会
競輪・オートレースが2013年度で6,063億円。
競輪・オートレースを巡る 最近の状況について - 経済産業省(PDF)
競馬はJRAが 2013年度の売上が24,118 億円で、地方競馬全体の2013年度の売上が3,553億円なので合わせて、2兆7671億円の売上です。
JRA 経営に関する情報 - JRA
地方競馬情報サイト 地方競馬開催成績
パチンコはどうでしょうか。パチンコ店は景品しかだせず、それを景品交換所で換金する方式で、グレーを装っているのですが、実質はギャンブルです。
三店方式 - Wikipedia
一般社団法人遊戯関連事業協会のホームページに、公益財団法人 日本生産性本部「レジャー白書2014」のデータが紹介されています。
こちらで見ると、2004年におよそ30兆円近くあった売上(貸玉料)が、2013年には18兆8180億円に減少しています。それでも、他のギャンブルとは一桁違う規模です。
特定企業を対象とした経産省の統計では、市場全体の規模はわかりませんが、平成25年にそれまで対象としていなかった遊技機(おそらくパチスロ)を加えた結果、数字が跳ね上がっているので、レジャー白書でのパチンコの売上減は、ただパチスロと入れかわった結果にすぎず、もしかするとパチスロを加えると、もっと売上規模が大きいのかもしれません。さだかではありません。
売上・参加人口・活動回数|一般社団法人 日本遊技関連事業協会
遊技業界データベース|一般社団法人 日本遊技関連事業協会
日本のギャンブル産業の売上規模
つまり日本のギャンブルでの売上は、パチンコがもっとも大きく、全体をあわせると24兆円規模にまで達しているのが現実です。世界でも類を見ない賭博王国ではないかと感じます。
ちなみに今ではマカオに抜かれてしまったようですが、カジノの盛んなアメリカでの、カジノ市場規模は4兆6000億円程度ということなので、日本のパチンコ産業は、その4倍の規模です。あるいはそれ以上かもしれません。お隣の韓国はカジノの売上は、300億円程度といわれています。
質が悪いと感じるのはパチンコやスロットです。ふつうの国なら生活圏から離れたカジノにしかないスロットマシーンが、堂々と生活圏のなかに溶け込んでいるのですから。しかもグレーにしていたとしても実質は賭博です。
先月でしたか、内田樹さんという学者さんが朝日新聞の取材をうけた内容をブログに書かれていました。それを読んだときに、あまりに筋が通っていないのではないかと感じてしまいました。
内田樹さんは、かならずしもギャンブルがまったく駄目だというのではないにしても、概ねパチンコはOKで、カジノは駄目だというのです。根拠はこそこそ景品交換をしているからパチンコはいいというのです。
パチンコが路地裏で景品を換金するのを『欺瞞だ』という人がいるかもしれませんけれど、あれはあれで必要な儀礼なんです。そうすることで、パチンコで金を稼ぐのは『日の当たる場所』でできることではなく、やむをえず限定的に許容されているのだということを利用者たちにそのつど確認しているのです。カジノについて (内田樹の研究室)
儀礼かなにか知りませんが、およそ19兆円、もしかするとそれ以上がパチンコやスロットにつぎ込まれ、グレーであるために、警察OBなどの利権が生まれ、生活圏に賭博場が広がってしまったのです。そのパチンコで得られた収益が北朝鮮などの海外に流れてきたことも問題視されてきました。
身近なギャンブルだから、ギャンブル依存症になってしまう確率も高くなってきます。パチンコで負けて消費者金融を頼り、借金苦で離婚する、また万引きに走ったり、場合によっては自殺にまで追い込まれる、またパチンコを巡った主婦売春なども社会問題になっています。
そんな悲劇が起こっても、儀式を通してグレーにしているからいいという主張は、凡人には理解不能です。
海外から見れば、カジノにしかないはずのスロットが町のあちこちにあるという光景はきっとアンビリーバブルに映るのではないでしょうか。
ギャンブルは我慢したら止められない NHK放送 主婦のパチンコ依存
つまりパチンコ産業を放置しておいて、しかも生活圏から離れたところにできるにもかかわらず、カジノは駄目だという議論はおかしいのです。またカジノでもっとも利用者の多いのがスロットですが、もうすでに日本中に広がっているのですから、ましてです。
またカジノの場合は、さまざまな規制をかけることも、入場に制限を加えることも、パチンコに比べれば、あるいはその他のギャンブルとくらべても可能なはずです。なんらかの利権をもった人もカジノ反対を煽っているのかもしれませんね。
ほんとうの焦点は、カジノにあるのではなく、大規模な国際イベントも開催ができ、海外からの集客を担う統合型リゾート施設が必要かどうかだということを議論をすることが筋のはずです。その一部であるカジノだけを取り上げ、賛成か、反対かとする議論はあまり健全とは感じません。ましてそれがギャンブル漬けの日本で展開されるとは奇妙な話です。
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