ウクライナをめぐって、欧米とロシアの制裁合戦が始まりました。欧米が7月29日に追加したロシアへの懲罰的な制裁に対して、プーチン大統領は報復として、食料輸入を制限することを発表しました。これには日本も含まれるのでしょう。ウクライナ問題は、もはやウクライナ内部の戦闘よりも、欧米とロシアの制裁合戦に焦点が移ってきたように見えます。
しかし、ロシアが、どれだけ欧米に対しての制裁のカードを切れるのかはかなり疑問です。欧米からのロシア制裁は、ロシアとの関係が深いヨーロッパ経済にとってはマイナスになって帰ってくるとしても、どう考えてもロシア経済への影響のほうが大きいことはいうまでもありません。
欧米からの制裁にまず悲鳴をあげたのが、ロシアの旅行会社や航空会社のようです。ルーブルが下落してしまったために、旅行代理店が海外の航空会社に料金を支払えない状態となり、連鎖倒産が起こったり、またロシアの格安航空会社「ドブロリョート」は、制裁で航空機リース契約を解除させられ、四日から運航の休止に追い込まれています。
ロシア国民 制裁に悲鳴 旅行会社 相次ぎ倒産:東京新聞:
しかし、ヨーロッパへの天然ガス輸出に制裁が加えられない限り、こういった直接的な打撃でロシア経済が崩壊するということはないでしょうが、ロシアへの制裁は、じわじわとロシア経済の基礎体力を削いでいくことになってきます。すでに、海外、とくにヨーロッパからのロシアへの投資がストップするだけでなく、資本の引き上げが進んできているようです。
欧米の経済制裁で疲弊が進むロシア経済。落とし所の探り合いが続く | ニュースの教科書
オバマ大統領は6日の会見で、1000億〜2000億ドル(約10兆〜20兆円)の資本がロシアから逃避し、ロシア経済は「急停止」したという認識を示しています。
米大統領、ロシア経済「制裁で10兆〜20兆円の資本逃避」:日本経済新聞
なせ資本流出がロシアにとって致命的になってくるのかですが、ソ連が崩壊したのは経済破綻からでした。そこからロシア経済が立ち直ってきたのは、自力というよりは、欧州からロシアへの投資があったからです。天然ガスなどについても、欧州資本や欧州からの技術がなければいまでも新規の開発ができません。産業の近代化も欧州資本がなければ進みません。
ロシアからの対抗策といえば、欧州航空会社のシベリア飛行禁止をちらつかせていますが決定打になるのでしょうか。その効果のほどは怪しいと感じます。
天然ガスの輸出を止めることは、欧州にとっては大きな打撃になりますが、同時にロシア経済を支える主要輸出産業なので、それはできません。欧州向けの天然ガス輸出を中国に切り替えれば、待っているのは価格の下落です。
しかしプーチン大統領が欧米から大きな妥協を勝ち取らなければ、ロシア国内での支持を失ってしまいます。おそらく経済打撃が深まれば深まるほど、ナショナリズムが高まってくることも考えられ、それが国内からの強い圧力となってきます。
引くに引けないプーチン大統領は、エコノミストが指摘するように痛みを覚悟し、対抗を続けるように見えますが、最悪は、プーチン大統領が北朝鮮にならって、瀬戸際外交をエスカレートさせることです。もしかすると、その可能性のほうが高いのかもしれません。ウクライナ国境周辺のロシア軍を増強したこともそのひとつかも知れず、軍の暴走が懸念されるところです。
対ロシア制裁:痛みを覚悟するプーチン大統領: The Economist(日本ビジネスプレス)

欧米からの制裁にまず悲鳴をあげたのが、ロシアの旅行会社や航空会社のようです。ルーブルが下落してしまったために、旅行代理店が海外の航空会社に料金を支払えない状態となり、連鎖倒産が起こったり、またロシアの格安航空会社「ドブロリョート」は、制裁で航空機リース契約を解除させられ、四日から運航の休止に追い込まれています。
ロシア国民 制裁に悲鳴 旅行会社 相次ぎ倒産:東京新聞:
しかし、ヨーロッパへの天然ガス輸出に制裁が加えられない限り、こういった直接的な打撃でロシア経済が崩壊するということはないでしょうが、ロシアへの制裁は、じわじわとロシア経済の基礎体力を削いでいくことになってきます。すでに、海外、とくにヨーロッパからのロシアへの投資がストップするだけでなく、資本の引き上げが進んできているようです。
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オバマ大統領は6日の会見で、1000億〜2000億ドル(約10兆〜20兆円)の資本がロシアから逃避し、ロシア経済は「急停止」したという認識を示しています。
米大統領、ロシア経済「制裁で10兆〜20兆円の資本逃避」:日本経済新聞
なせ資本流出がロシアにとって致命的になってくるのかですが、ソ連が崩壊したのは経済破綻からでした。そこからロシア経済が立ち直ってきたのは、自力というよりは、欧州からロシアへの投資があったからです。天然ガスなどについても、欧州資本や欧州からの技術がなければいまでも新規の開発ができません。産業の近代化も欧州資本がなければ進みません。
ロシアからの対抗策といえば、欧州航空会社のシベリア飛行禁止をちらつかせていますが決定打になるのでしょうか。その効果のほどは怪しいと感じます。
天然ガスの輸出を止めることは、欧州にとっては大きな打撃になりますが、同時にロシア経済を支える主要輸出産業なので、それはできません。欧州向けの天然ガス輸出を中国に切り替えれば、待っているのは価格の下落です。
しかしプーチン大統領が欧米から大きな妥協を勝ち取らなければ、ロシア国内での支持を失ってしまいます。おそらく経済打撃が深まれば深まるほど、ナショナリズムが高まってくることも考えられ、それが国内からの強い圧力となってきます。
引くに引けないプーチン大統領は、エコノミストが指摘するように痛みを覚悟し、対抗を続けるように見えますが、最悪は、プーチン大統領が北朝鮮にならって、瀬戸際外交をエスカレートさせることです。もしかすると、その可能性のほうが高いのかもしれません。ウクライナ国境周辺のロシア軍を増強したこともそのひとつかも知れず、軍の暴走が懸念されるところです。
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