中国のファブレス企業「小米(シャオミ)」は、2010年に創業された若い企業で、「中国のアップル」とも称され、また創業者の雷軍氏は「中国のジョブズ」とも言われる注目の急成長企業です。その「小平(シャオミ)」が先週発表したタブレットと4K解像度の49型テレビの報道に心穏やかでないライバル企業がきっと多いのではないでしょうか。
スマートフォンでは、いまなおサムソンがトップを走り、直近の調査では、2014年第一四半期の出荷台数でサムスンが31%で首位を維持していますが、上位10社中の5社を中国企業が占め、「小米(シャオミ)」は創業わずか4年目で、トップ10入りを果たしたのです。高機能と低価格を両立させた特異な「小米(シャオミ)」が、サムスンやアップルを脅かす存在になるという見方が多いことは言うまでもありません。

それが現実味を帯びてきたのです。技術を中心にした報道では、そのタブレットには世界初のTegra K1が搭載されたことに注目が集まっています。Tegra K1が、PCグラフィックスの機能とGPUコンピューティング機能をモバイルにもたらすチップだからです。その高機能なタブレットがなんと16GB版でおよそ24,500円で64GBが27,800円の低価格です。スペックから言えば、サムソンもアップルも真っ青のタブレットです。昨年のWIREDの記事ですが、それについて詳しく触れている箇所にリンクを張っておきます。
Xiaomi:アップルとサムスンを脅かす企業 ≪ WIRED.jp

日本ブランドのスマートフォンは、クープマンの目標値でいえば、市場において、ようやく存在を許されるシェアのレベルである6.8%にも到達していない状況でしかないので、あまり影響は受けないかもしれませんが、ハイスペックな機種でできるだけ価格競争に巻き込まれたくないサムスンやアップルにとっては「小米(シャオミ)」は、やっかいな存在になってきます。

日本の企業にとって、脅威なのはむしろ4Kテレビのほうでしょうか。「小米(シャオミ)」は発表した4K解像度の49型テレビが6万5,000円というのは衝撃的なはずです。

もちろん、やがてはフルハイビジョンから4Kテレビに移行していくとしても、解像度を高めるだけではテレビの価値が高まったり、テレビ需要が伸びるとは到底思えません。4Kテレビの普及そのものも価格がフルハイビジョン並みにまで低下してくることが絶対条件になってきます。

いまは、日本や韓国の家電業界が、4Kテレビを高利益をとれる商品として力を入れていますが、価格下落は着実に進んできています。「小米(シャオミ)」が発表した4K解像度の49型テレビは、4Kテレビの本格的な低価格化が始まり、高価格で稼げる期間が短縮されてしまいます。

テレビの価値を高め、テレビの新しい市場を広げるためには、テレビの楽しみ方を広げていくこと以外にはありません。そのためのイノベーションを起こせないとすれば、もはや途上国企業以外では、事業を継続する値打ちがあるとは到底思えません。それほど液晶テレビは、頑張れば頑張るほど赤字が広がるレッドオーシャンとなってしまっているのです。

さて、「小米(シャオミ)」の強みは、製品だけでなくマーケティングの巧みさです。広告費をほとんどかけず、中国版ツイッターと呼ばれる「微博」など、ネットの口コミを活用し、7割をネット販売で売る直販モデルが低価格をも実現しているのです。昨年12月に発売から5分14秒でスマホ5万台を完売した記録を達成しているので驚きます。
5分14秒でスマホ5万台を完売:小米の「空腹」+ウェイボー・マーケティング | ニュースマガジン PUNTA -

「小米(シャオミ)」の低価格の4Kテレビの登場で、日本の企業が、4Kという切り口以外の新しい切り口の模索なり、チャレンジへと舵切りを進めていくことを願うばかりです。


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