先週末にスタジオジブリの宮崎駿監督最新作品『風立ちぬ』を遅ればせながら見てきました。さすがにジブリの作品で、映画観客動員ランキング5週連続で首位を獲得しています。
観ていい作品だと感じたのですが、しかし、この映画がはたしてどれだけ若い世代の人たちに理解されるのだろうかという疑問も同時に感じました。少なくとも子どもには伝わらないだろうと感じる内容でした。期待してでかけてがっかりした人も多いのではないでしょうか。
時代背景のギャップが大きすぎるのでしょう。いろいろ凝った仕掛けがなされているのですが、それが通じないのではないかと感じたのです。

たとえば計算尺を使うシーンがたびたびでてきます。計算尺は掛け算、割り算、さらに三角関数、対数、平方根、立方根などの計算までできる優れものでした。関数電卓が登場するまでは学校の授業でも使っていました。しかし関数電卓の登場、その後のPCの登場ですっかり姿を消し、ご近所の40代の方に尋ねても見たこともないということでした。

主人公がでかけた避暑地のホテルで、ドイツ人の人と『会議は踊る』の主題歌が歌われます。昔はテレビでも放映されていた有名なドイツの映画です。これを知っている人はかなり映画通かもしれません。


映画を見ていて思わず亡くなった父のことを思い出すシーンもありました。軍人の理不尽な要求や傍若無人ぶりが出てきたシーンです。ほんとうにいい飛行機を作るために、よりよい開発環境をつくるのではなく、わがまま放題で開発の妨害としかいえないことをやるのです。
父は技術者ではなかったのですが、満州で関東軍相手に通信網を築く仕事をしていました。昔まだ元気だった頃は、時々満州時代にいっしょに働いていた人たちが我が家に集まり、当時の関東軍の将校の馬鹿さ加減を酒の肴にしていたのが自然と耳に入ってきたものです。関東軍の馬鹿な将校をうまく騙さないと仕事にならないと。
 
その関東軍は民間人を捨ててまっさきに逃亡してしまったのですが、それが仇になって多くの方がシベリアに抑留され、大変な目にあうことになります。その悲惨な生活ぶりは舞鶴の引揚者記念館で再現されていて心が痛みます。

しかしこの映画には、開発者の心に響くシーンや言葉があちこちに散りばめられているのです。

なかでも秀逸だと感じたのは「設計は夢をカタチにすること」という言葉と、素晴らしい飛行機を生み出すのはセンスで、技術は後でついてくるという言葉です。当たり前のことのようですが、なにか現代に送るメッセージだと感じたのです。

その両者をあわせ現代的に言い換えるなら、「ビジネスは夢をカタチや体験として届けることで、そのために技術を駆使すること」になるのかもしれません。

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