中国は、海外からの投資によって、世界の製造拠点として、また部品調達をはじめとした産業の集積を強みとして経済成長を実現したわけですが、世界の景況感の悪化、人件費の高騰、また尖閣問題に端を発した反日騒動の影響で海外からの投資に急ブレーキがかかってきています。
世界からの対中国直接投資の推移
2012年の全世界合計の中国への直接投資額は、1,117 億ドルと前年比 3.7%減とリーマン・ショック後の09年以来3年ぶりに減少に転じたわけですが、さらに年が明けた1月は、前年同月比7.3%減で8カ月連続のマイナスとなったことを中国商務省が発表しています。
2012年の全世界合計の中国への直接投資額は、1,117 億ドルと前年比 3.7%減とリーマン・ショック後の09年以来3年ぶりに減少に転じたわけですが、さらに年が明けた1月は、前年同月比7.3%減で8カ月連続のマイナスとなったことを中国商務省が発表しています。
もちろん中国や世界の景気見通しが改善すれば、また投資が増加することもあるのかもしれませんが、極端に悪化した環境問題、PM2.5による健康被害を考えれば、いまさら中国に人を送り込んで工場を立てることには抵抗感もあるでしょうから、さらに海外からの中国への進出の動きを減速させる要因にもなってきます。
それまでもっとも伸びてきていた日本からの投資も、尖閣問題の影響もあって、1月には前年同月比で20.0%減と大きく落ち込んでいます。対中国投資を2012年に大きく伸ばしたのは韓国、またドイツやオランダですが、投資額そのものがまだ小さいので、海外からの直接投資で第二位の日本からの投資の減少は、すくなからず中国経済に影響がでてきます。
野田内閣が決定的にダメージを与えた日中関係ですが、田原総一朗さんが自らのブログで「スクープ」記事を書かれています。当時の野田総理の「特使」のかたちで副大臣が中国を訪問し、尖閣諸島の「国有化」したいという日本側の希望を伝えたたものの拒否され、譲歩するような発言をしてしまった、しかもそれを野田総理には伝えないままに、「国有化」に踏み切ったというのです。もしそれが本当なら、中国からすれば日本に裏切られたということでしょう。その後にとった中国の動きは問題があるとしても、怒るのも当然だということになります。
中国の政権交代時期という微妙なタイミングでの「国有化」という思いつきとしか思えない行動にでて、経済の混乱をつくった野田内閣の罪はあらためてその大きさを感じます。しかしそれ以降にとった中国の行動によって、米国や近隣諸国の中国への警戒感を高める結果となり中国包囲網のような様相になってきたことも皮肉な話です。
しかし長い目で見れば、過度な中国に傾斜した投資先をASEANに分散させる結果を生んだのは日本にとってはよかったのではないでしょうか。かつてはアメリカへの輸出頼み、さらに今日は過度な中国進出は、その相手国の経済や政治情勢また外交関係などの変化が大きなリスクとなってくるからです。
レコードチャイナが、日中米の政府次官級幹部が集まり、尖閣諸島問題を巡る日中紛争を回避するための非公式協議を行われ、極めて友好的な雰囲気だったと米国政府筋が明らかにしたと報じています。中国の軍部などの暴走さえなければ、事態の沈静化が進んくると期待したいところです。
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