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250px-Apple_TV_2nd_Generationこれまでもこのブログで書いてきたように、スマートTVの主役は、OSでも、テレビでもありません。スマートTVならではのコンテンツが揃ってはじめて従来のテレビとの違いが生まれてきます。主役はコンテンツに移っていきます。電子書籍が、いくら優れたリーダーがあっても電子書籍そのものが揃っていなければ話にならないのと同じことです。
さて2010年に登場したアップルTVは画面のないセットボックス型で、価格が8800円というのは衝撃的でした。しかし、これまでの出荷台数は400万台と、まだまだ本格的な需要を切り開くには程遠いところです。アップルからすれば、ジョブズが「趣味」だと言ってのけたようにまだビジネスとしても成功しているとはとても思えません。
アップルとしても、いつかテレビ市場を塗り替えたいと、リビングに進出し、スマートフォンやタブレット、またPCとの連携で新しい価値を生み出したいのでしょうが、まだまだハードルが高いのが現実です。

さて、The Wall Street Journalが、アップルが米国のケーブル事業者と交渉し、事業者が加入者に貸し出すセットトップボックスの代替として「Apple TV」を売り込んでいることを伝えています。米国では全世帯数の約58%がケーブルテレビなので、もしケーブルテレビ事業者が、アップルTVをセットボックスとして扱えば、一挙に普及が早まりそうです。

しかし、アップルがケーブルテレビ事業者にWIN-WINの関係を提示できなければ、ケーブルテレビ事業者がこの話にそうそう簡単に乗るとは思えません。ケーブル事業者はきっと、iPhoneで利益のほとんどをアップルが独り占めしている現実の二の舞にはなりたくはないでしょう。

これまでアップルは稼ぎすぎたのでしょう。それがケーブルテレビ事業者の警戒感となってきているはずです。しかもアップルTVがセットボックスになると、これまで以上にテレビ番組離れが起こってくることもありえます。

ケーブルテレビ事業者が流す番組ではなく、iTunesStoreで買われた映画が見られ、それはアップルの利益となっても、ケーブルテレビ事業者の広告収入を減らしかねないのです。

アップルはケーブルテレビ事業者によほどいい条件をださないと、なかなか提携という話にはならないのではないか、アップルはその壁をどう乗り越えるのかが注目されるところです。

アップルTVに立ちはだかっているケーブルテレビ事業者、日本で言えば放送局の壁をどう乗り越えるのかで、スマートTVの普及速度も大きく左右されるのでしょう。なかなか正面突破は難しそうなので、まずは側面の機能のなにかでブレークし、無視できない流れをつくることが求められているように感じます。

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