結局、大飯原発は再稼働することになったのですが、読売の調査では、賛成43%・反対47%でほぼ拮抗した結果、また時事通信の調査では、46%が反対で、賛成が39%と反対が上回る結果となっていました。読売の調査で、今夏に大幅な電力不足が見込まれている近畿は、賛成49%、反対43%という結果で、地元は電力不足を避けて欲しい人が多いという結果ですが、そんなものでしょう。世論を二分していることには変わりありません。
おそらく反対だという人のなかにも、きちんと安全基準や、保安体制の見直しがなければ再稼働は駄目だという人から、原発は一切動かすなという人もいるのでしょうが、いずれにしても筋は通してもらわないと不安は残ります。
しかし一方では、化石燃料の輸入増で貿易収支の赤字幅が増加し、自動車の輸出回復があったもののそれを埋めるほどになっていないこと、しかもまだ産業によって、また企業によってまだら模様とはいえ、ようやく景気が回復しはじめているところに、電力不足となると景気回復の腰を砕いてしまうことになります。
実際、計画停電を恐れる声はありました。会社の仕事でサーバーを置いているデータセンターは電力不足や計画停電の影響を受けませんが、工場施設や店舗などを持ち、そういった対策ができない会社も多いわけです。医療関係にも深刻な影響を及ぼします。近畿の各首長さんを腰砕けだと批判するむきもありますが、中小企業が倒産してしまっても困るので、責任のある立場としてはしかたない受け入れだったと思います。
日銀が控えめに景気の回復基調を報告していましたが、消費マインドの回復で個人消費が持ち直しはじめていて、またエコカー減税の期限切れにむかった自動車も絶好調という状況です。夏場の電力不足、とくに計画停電などがあれば、また消費マインドが後退することは間違いありません。それにしても明日のアゴラに数字も出して書こうと思いますが、景気ウォッチャー調査が2ヶ月連続で落ち込んでいるのは気になるところです。景気の足を引っ張る不安要素は、電力不足、自動車の駆け込み需要の反動、あとは欧州危機の影響の3点セットでしょうから、計画停電というショック療法だけは避けて欲しいところでした。
時々このブログで書いてきたことですが、世の中は、あちらを立てれば、こちらが立たずの「トレードオフ」の関係が増えてきています。議論としてはそれぞれの立場でディベートすることはいいのですが、いずれどちらかに決めなければなりません。決断力が問われてきます。
その点では関西の経済が危ない、地元からの声からの決定というのはいかにも日本的だとしても、野田さんがきちんと決断したことは評価したいと思います。
それに猪瀬東京都副知事が報道番組でおっしゃっていたように、いつまでも賛成か反対かではなく、確実にできることに焦点をあてて前に進めていくことが、トレードオフの関係のなかでは必要になってきます。それが知恵だと感じます。
それに猪瀬東京都副知事が報道番組でおっしゃっていたように、いつまでも賛成か反対かではなく、確実にできることに焦点をあてて前に進めていくことが、トレードオフの関係のなかでは必要になってきます。それが知恵だと感じます。
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