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フェイスブックが独自のスマートフォン開発にむけて3度目のチャレンジをしているそうです。同社は広告収入一本に頼るビジネスで、どちらかというといまや古いスタイル。その限界が株価にも影響したのでしょう。
JBpressの記事によると、IPOの申請書類でも「モバイル端末経由のユーザーの伸びが、モバイル広告の伸びを上回っている」と説明しており、戦術的には機種価格を下げ、ユーザーを確保し、そのスマートフォンに対して自動で広告表示すれば広告収入も伸びるということでしょうか。戦略的には、自社のスマートフォンによって、広告収入だけでなくコンテンツなどの販売へも事業領域を拡大できると考えているのかもしれません。
ちょっと甘いかもしれませんね。もうすこし早い段階で開発に成功していたらまた話は違ったかもしれませんが、うちの広告を表示させてくれたらスマホが安くなるよというのも、なにかもう鮮度を感じません。

それにコンテンツ販売では、アップル、グーグル、アマゾンに加え、サムスンがiTunesやWindows Media Playerなど様々な形式でPCに保管されている楽曲をクラウド上のストレージにアップロードするコンテンツサービス「mSpot」を買収し、音楽サービス「Music Hub」の提供を開始するというのだから巨人たちの激戦区に特攻をかけて勝算があるのだろうかとも感じます。
サムスン「Galaxy S III」、欧州で発売に - 「Music Hub」提供で「iTunes」追撃 - WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース) : 

機種を安く提供するという事以外に、ユーザーにとっての魅力、またなにが強みになるかが見えてこないのです。

アップルが、iPhoneやiPadによってグーグルが得た広告収入の推定では50%から60%をグーグルから受け取っていたり、グーグルはChromeで着々とブラウザでのシェアを伸ばし、ユーザーの囲い込みをやっているなどビジネスが巧みです。フェイスブックのザッカーバーグには、そういったビジネスに長けた香りがしないので、もうすこし堅実に今のフェイスブックで収入を拡大させることを考えたほうが無難かもしれません。

もし本気で「フェイスブック・スマートフォン」を狙うのなら、HTCと組むよりは、なんとかモバイルの世界市場でなんとか挽回したい日本の企業と組んだほうが組み合わせとしては面白そうな気もしますが、経営の意思決定や対応が遅そうなことがネックになっているのかもしれません。

それはそうと、あまり売れていない印象のアップルTVですが、出荷数量はじわじわと伸びてきていて、もうすこしで毎月50万台程度に達するようです。たぶん画面のついたアップルTVがもうすぐ登場してくると思うのですが、想定範囲なのか、想定を超えたなにか驚くような仕掛けがあるのか気になるところです。