人気ブログランキングへ

読売新聞の社説で、「オリンパス トップ主導の悪質な粉飾工作」という社説を掲げています。読売が言うかみたいな感想をどうしても持ってしまうのです。渡邉会長と清武さんのバトルがまだ続いているわけで、さらに独占禁止法に抵触する過大なノルマを販売店に課す「押し紙」問題の疑いも、それを取り上げた週刊誌には勝訴したとはいえ、晴れているわけではないからです。
オリンパス トップ主導の悪質な粉飾工作 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞) :


それに、オリンパス問題について、記事が甘かった読売が、今頃社説に掲げるというのも違和感があります。

オリンパス問題は、経営陣が取締役に抜擢してもらったという恩義から、イエスマンとなり、トップの粉飾決算を見てはならないものとして看過してきたわけですが、俗に言えば経営陣の茶坊主化がオリンパスを危機に追い込んだ大きな原因でした。

しかも、粉飾に気が付かなかったとしても、本業とは技術的にも、販路としてもまったく相乗効果が期待できない携帯の販売ショップの会社や、化粧品の会社などを買収してきた経営戦略に疑問を感じなかった取締役の人たちはなんら戦略監視すらできず、その役割を果たしていなかったことになります。

さて読売はどうでしょうか。外野席から見ると、先般の清武さんのクーデターで、球団社長のある意味では「裏切り」とも見える会見がありました。唖然とした人も多いと多いと思います。歴代、会長の独裁体制を敷いてきた読売はそんな取締役のイエスマン化が起こりやすい構造になっています。
読売が、野球で大学や選手に栄養費として裏金を渡していたことがありましたが、なにかダーティなイメージがつきまとっています。それも「社会の公器」を謳うメディアとしては許されない話でしたが、それで渡邉会長に辞任を突きつけるなり、異議を唱えた取締役のかたがいたのでしょうか。

「所管する金融庁も、問題点を徹底検証し、監査体制の改善指導を図る必要がある」という主張は間違ってはいないとしても、それよりは、取締役会の役割や機能を再定義し、役員人事はどうあるべきかを問い直すことで、経営の質を高める自主的な動きを呼びかけるほうが、はるかに企業活力を生みだすのではないでしょうか。


役員の問題については、ぜひ読んでいただきたい記事がJBプレスにありました。日本の半導体やテレビ産業が壊滅していった原因について取り上げたものです。

ボツになった「テレビ産業壊滅の真相」記事 凋落の兆しは2004年からあった:

電機メーカー役員年齢

そのなかで、日本の電機メーカーの役員の平均年令のグラフがありましたので引用させていただきますが、60歳をはるかに超えているのです。もちろん年齢が高くとも経営感覚や経営手腕が衰えない方もいらっしゃるとしても、ちょっと平均年令が高すぎると感じます。もっと多様な世代が経営を担ったほうが活力もでてくると感じます。

そういえばかつて大手証券会社のグループ企業のトップの方が、グループ各社の経営者の会合が定期的にあるけれど、世間話の井戸端会議で、どの経営者も現場を知らず、経営者としての仕事をまともにしていないと痛烈な批判をされていました。経営が井戸端会議では困ったもので、それも経営の高齢化現象なのでしょう。また経営者の高齢化は、いつまでも造れば売れるという高度成長期の発想がなくならない、マーケティングで敗北したにもかからわず、意識転換ができない原因のひとつで、経営の空洞化が起こっていないかと危惧します。取締役がサラリーマンの「上がり」では企業成長など望むべくもありません。

応援クリックよろしくお願いします
人気ブログランキングへ

サーバーもソフトも不要のSFA「アクション・コックピット」。
使いやすさに加え強力分析ツール「アクション・アナライザー」登場
アクションコックピット