ネットだけでなくマスコミでも、それこそお笑い番組までもが、スティーブ・ジョブスの偉業を称え、これからの時代はスマートフォンであり、スマートフォンといえばiPhoneだという認識が一挙に広がりました。またソフトバンクの販売独占が崩れ、auの取扱い開始がさらにiPhoneへの注目度を高め、アンドロイド・スマートフォンしかないNTTドコモに正念場が訪れています。
auのiPhone取扱いで、ソフトバンクが厳しくなるというよりは、マーケットのモメンタムは、ふつうに考えれば、両社とも契約を伸ばし、割を食うのはNTTドコモという構図になってきます。
この勝負は非常に面白いの一言につきます。ソフトバンクはiPhone3GSからの買い替えに関しては、割賦の残債をゼロとし囲い込みを始めましたが、好奇心から洞ヶ峠を決め込んで眺めると、勝敗の焦点はNTTドコモが、iPhoneを御旗に掲げて押し寄せるソフトバンクとauの攻撃をどうかわすかになってきます。
NTTドコモは下手をすると両社からの狩場となる公算が強く、いったいどのような防衛手段をとってくるのかに注目していましたが、高速データ通信LTEを「Xi」(クロッシィ)でブランド化し、新規のスマートフォンからドコモユーザーへの通話は24時間無料、期間限定とはいえソフトバンクとも競争できるパケット料金などを全面に押し出してきました。
いよいよ携帯キャリア戦争の始まりです。俄然面白くなってきました。またこの競争で一挙にスマートフォン化が進みます。ガラケーいよいよ危うしで、ガラケーの部品供給で生きている会社は厳しくなります。
この競争の行方ですが、状況は圧倒的にソフトバンク、auに有利です。なぜなら、スマートフォンの普及が加速するわけですが、その際に効いてくるのはブランド力です。スマートフォンに乗り換えようという人は、ブランドとして知っているほうが安心して購入できます。あまり深い知識を持たない人ほど、ブランド認知による差が効いてきます。
iPhone4S購入に並んだ人たちがニュースで流れ、それを見た人はやはりiPhone4Sでないといけないのかとなり、アンドロイドって、それなあに、iPhoneじゃないのという感じになるのでしょう。
店頭では、iPhoneはおサイフケータイもスイカも使えませんよと囁いてアンドロイドの良さを伝えるのが精一杯となりますが、来店客そのものが奪われます。。
iPhoneを持たず、アンドロイドだけで勝負することは、圧倒的に不利であることをNTTドコモもわかっているから、高速データ通信LTE「Xi」(クロッシィ)と料金戦略という通信キャリアとしてのパワーで勝負にでたものと思います。
とくに携帯ユーザーの半数弱を抱えるNTTドコモが、今回発売したスマートフォンからのドコモユーザーへの通信料24時間無料はインパクトがあります。思い切った反撃ですが、それでもそれは防衛のための対策にすぎません。ユーザーの流出を必死に守ることになります。
販売シェアでは優位にあったアンドロイド勢ですが、米国や日本でのiPhone取扱キャリア拡大で、この関係にも変化がでてくることは避けられません。では、このままiPhoneの対アンドロイド優位がつづくかというと、技術の進展が日進月歩の業界ではこれも怪しいと感じます。
偉大な指揮者ジョブスを失った後のアップルになにが起るかは未知数です。また、なにかのイノベーションが起こり、ユーザーが共感する「できること」が広がれば、この種の分野ではあっというまに競争力は変化します。
「できること」でいえば、アンドロイドのスマートフォンは、日本ではFelicaに対応しており、それが強みになってくるはずです。しかしそれでもiPhoneが再び持った勢いに対抗するには弱いと感じます。
なぜなら、それはアンドロイドのスマートフォンの対iPhoneでの強みですが、どの通信キャリアも扱っているために、NTTドコモが他の通信キャリアとの差別化として押し出しづらいからです。ほんとうはそれもありだと思いますが・・・
しかし、次期アンドロイドOSを搭載したスマートフォンは、11月にNTTドコモから発売されるサムスンのスマートフォンが最初の機種になるようですが、注目しています。ただ、どうも「Xi」(クロッシィ)対応ではなさそうなので、もしそうだとすると厳しいでしょう。
グーグルとサムスン、最新版OS搭載のスマホ発表 :日本経済新聞 :
注目している理由は、近距離無線通信規格NFCが搭載されてくるからです。NFCは、日本やアジアの一部でしか普及していないFelicaだけでなく世界で最も普及している「Mifare」との互換性もっている国際規格です。オサイフケータイ機能だけでなく、さらに入退出管理、住基カードなどにも対応するだけでなく、スマートフォンをかざすだけでPCとのスムーズな認証やファイル情報の交換なども可能になってくるようです。
NFCとは :
どこまでこの近距離無線通信規格NFCが使えるようになるのかはわかりませんが、もしこの通信規格に対応するサービスが広がってくれば、アンドロイド・スマートフォンのわかりやすい差別化、強みになってきます。時間はかかりそうですが。
当面はiPhone有利、しかしそれがいつまでも続くという保証はなく、ほんとうにマーケティングの見方やカンを養ういい題材でありつづけそうです。
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