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今日から、イオンが3D映像対応の32型フルハイビジョン液晶テレビを5万9800円で発売します。大阪に本社を置くピクセラ社製のものです。

またイオンは、昨年発売した88円の第三のビールが年間1億本以上が売れた成功を受け、PB商品として韓国のメーカーのラガービールを売り出します。350ミリリットル缶で158円とナショナルブランドより40円〜70円安いといいます。俳優の柳葉敏郎さんを起用したコマーシャルも展開するようです。

昨今はコンビニでもPB商品が目立つようになり、こういったニュースに接するとPB商品の勢いを感じるのですが、実際には、イオンのPB商品の販売実績を見ると踊り場を迎えています。

2007年度以降、イオンの「トップバリュ」は対前年比で20%以上を伸ばしてきていました。セブングループの「セブンプレミアム」などともあわせPB商品は話題となり、2008年には日経のヒット商品ベスト30で「PB」が堂々の一位に輝き日本にもPBの時代がやってくるかと思わせました。しかし2011年度は急ブレーキがかかり、計画を大幅に割って対前年のわずか1.5%の4489億円と足踏み状態に陥ったのです。あきらかに壁が立ちはだかった状態です。

しかし、それに驚くよりは、この壁がくることを多くの人が感じていたのではないでしょうか。

さて、スーパーやコンビニに行くと、PB商品が増えて一定の存在感をつくり始めているのですが、売上に占めるPB比率がどうかというと、日本はPB商品の普及はまだまだ進んではいずナショナル・ブランド主導の市場です。

イオンを例に取れば、「トップバリュ」の売上は、専門店の事業を除く小売部門の売上高でみても、PB比率は10%を超える程度です。

海外ではどうかというと、2009年の各国のPB比率を見ると、スイス54%、イギリス48%、ドイツ40%、スペイン39%とかなり低いことがわかります。

企業別に見ても、2005年とちょっと古いデータですが、売上ベースでのPB比率では、ドイツのアルディは95%、オランダのアホールドが48%、アメリカのウォルマートは40%と、イオンのPB比率とは大きく違っています。

PBブームといわれ、話題が先行しても、まだまだ海外企業と比べるとPBは育っておらず、携帯だけでなく、日本の小売業もかなりガラパゴスだという印象を受けます

さて、PB比率を上げるために、イオンが取ろうとしているのは今回のラガービールのように、PB商品のアイテムを広げるという方向です。年間10億円以上の売上を稼げる商品を、2013年2月期までに300品目に拡大させる方針のようです。

また、同じ品目でも欧米によくみられるように同じ品目でも価格帯を3つにわけ、それぞれの価格帯に商品を投入しバリエーションを広げるとしています。
しかし、どうなのかなという疑問を感じます。日本の小売業はイオンが典型的ですが、店舗数の拡大を一貫して追求してきましたが、それと同じ発想を感じます。結果、売上規模は伸びたけれど利益は低空飛行を続けてきたというのが現実です。

「トップバリュ」になぜ壁が訪れたのか。

PB商品の歴史を振り返ると、市場が成熟しコモディティ化した商品分野で、ナショナルブランドからシェアを奪って成長してきました。

つまり、それぞれのアイテムでナショナルブランドよりも消費者が価値を感じ、価格魅力のある商品を提供してきたから成長したのです。

ドイツのアルディのPB比率は90%を超えています。売上規模はセブン&アイやイオンよりも少し大きいディスカウンターですが、商品は1000アイテム以下しか扱っていないといわれています。つまり一品一品が強く、競争力を持っているのです。

日本のPB商品に感じるのは、その単品の商品の弱さです。おそらく、まだまだ商品企画や開発を製造委託している企業におんぶにだっこで、自社の開発機能が弱いのか、あるいはサプライチェーンが弱いのでしょう。だから商品の種類を増やすことで売上をつくっているように感じます。

また自主開発したPB商品というよりは、それぞれの商品を見るとメーカーとの共同開発商品、いわゆるダブルチョップがほとんどです。ラベルを見ても販売者に製造元が表示され、クレームなどの責任を回避していることも本気度を疑わせます。

つまりPB商品という利益率の高い商品は扱いたい、しかしリスクは取りたくないという体質が見え隠れするのです。それではブランドへの信頼を上げよう、また商品力を上げようという流れは育ちません。
PB後進国日本の現実(その1) : アゴラ - ライブドアブログ

海外企業の例では、PB比率が20%以上超えないと利益には貢献しないともいわれていることを考えると、日本の流通業のPB戦略の根幹、自社での開発力、商品評価力、生産や物流のしくみなどのところで見直しが求められているのではないでしょうか。
もっといえば、製造責任を取れるかどうかの企業姿勢にも遡る問題かもしれません。

ナショナルブランドと比較して品質がかわらない、あるいはより品質の高い商品を、圧倒的に安い価格で売る、それが価値革命であり、PBの基本戦略だとすると、その基本に立ち返って、顧客の利益を第一とした戦略を追求してもらいたいものです。それがもっともPB商品を伸ばし、利益をあげる近道だと思います。

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