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アップルは市場のシェアから言えば、PCでも、スマートフォンでも決してリーダー企業とはいえない存在です。PCは2010年第4四半期のシェアは10.8%でデルと並んで第三位。成長著しいスマートフォンでも、アップルはOSのシェアでは第三位で16%です。
ちなみにスマートフォンのOSではグーグルがもっとも伸びておりトップシェアの32.9%と差が倍以上になっています。
池田信夫先生はスマートフォンでのアップルの存在について
「iOSは、まだシェアは前年並みとふんばっているが、ジリ貧だ。iCloudなどのインフラも、1社だけでは規模の経済が生きないのでグーグルには勝てない。最終的にはMacOSのようなニッチになるのではないか」とされていますが、確かに規模で見るとそうかもしれません。
スマートフォンのいつか来た道 - 池田信夫blog - BLOGOS(ブロゴス) -

しかしアップルはシェア以上に存在感や影響力があることも否定できません。業績も絶好調で、時価総額では世界第2位に踊りでています。アップルの強さは、イノベーションを起こす力、ブランドロイヤリティが高く、顧客の流出が少ないことなど、さまざまな切り口で語ることができますが、なんといってもビジネスモデル、とくにビジネスプロセスでの押さえどころの良さにその本質があります。

市場シェアがヨコのシェアだとすると、シェアの尺度をタテに変え、川上から川下にいたる付加価値の合計でアップルが占めるシェアが高いのです。つまり市場サープラスが高いことが最大の強みとなっています。

平たく言えば、企画設計から最終の販売までのプロセスで、利益のでないものは、外部から調達したり製造委託し、高い利益のでるプロセスはすべてアップルが握っているということです。

アップルがものづくりで握っているのは設計とOSの川上だけです。CPUも設計は自社で行い製造はサムスンに委託し、その他の部品も外部からの調達です。製品の組み立ては主に台湾資本のフォックスコンに委託し、中国工場で行われています。

エレクトロニクス製品の分野では流通の寡占化が進んでおり、流通側が強い価格交渉力を持っています。メーカーにとっては非常に厳しい構造ですが、アップルはそれも回避しています。

アップルストアは、エレクトロニクス製品の販売額では、ベストバイ、ウォルマートに続いて第三位で、アップルストアで売れば利益は流出しません。さらに、自社流通を持っていることが強みとなり、高い価格交渉力を維持しています。
さらに音楽コンテンツや書籍、またアプリを売るプラットフォームも抑えています。こちらは広げれば広げるだけ確実に手数料が入ります。

グーグル連合は、スマートフォンで市場のシェアは高いのですが、製品そのものはサムスンや台湾のHTCが強く、たとえ販売台数が多いとしても、価格交渉力では流通側のほうが圧倒的に強く、アップルのようには利益をだすことができません。

アップルの強みは、PCや携帯など普通は儲からず、低利益しか稼げない分野で、儲かるしくみを築いたことにほかなりません。


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