
スマートフォンやタブレット端末、さらにスマートTVでの「アップル帝国」対「グーグル共和国」の競争がいよいよ面白くなってきました。おそらくソフトやハードの機能や性能、また使い勝手、さらにアプリやコンテンツのバリエーションや入手のしやすさといった競争もありますが、なんといっても、競争の焦点は、ブランドとビジネスモデルです。
スマートフォンでは、「アップル帝国」対「グーグル共和国」の趨勢は予想通り、2010年第4四半期に、出荷数量で「グーグル共和国」がトップに踊りでて、利益では「アップル帝国」がなんと上位8社の利益の51%を占めていたことをブログ「メディアパブ」さんが紹介されています。
メディア・パブ: アンドロイドがスマートフォン出荷台数でトップへ、だがiPhoneが圧倒的収益性を堅持 :
技術変化が激しく急であり、予断は許さないとしても、この構図はしばらくは続くと思われます。
なぜなら、アップルはスマートフォン市場を塗り替える新しいポジションを創造した一番手であり、ブランド化に成功したことで、高い収益性を可能にしているからです。ブランド力のあるiPhoneは通信キャリアや小売店からすれば、喉から手が出るほど欲しいわけで、おのずと力関係は決まり、それはどこが利益をとるかを大きく左右します。
スマートフォン市場でのメーカーのシェアを「ヨコのシェア」だとすると、アップルは「ヨコのシェア」では「グーグル共和国」に負けたとしても、原材料から販売にいたるプロセスでの付加価値のシェア、つまり「タテのシェア」でアップルが比較にならない優位を保っているからです。しかも、利益ゾーンをアプリやコンテンツを売るプラットフォームまで広げ、タテを伸ばしました。
しかし、「グーグル共和国」ではまだ強いブランドがあるとはいえません。あちらのメーカー、こちらのメーカーからも製品が登場してくると、売り手よりも、買い手である通信キャリアや、小売店のほうにパワーバランスは移ります。当然供給側が得る利益は下がります。
グーグルのアンドロイドの課題は、ブランドパワーをいかに構築するかですが、そのリーダーはいまのところまだ存在しません。「共和国」であるために、ブランドが分散していて、ブランド力が弱いのです。たとえ、グーグルにブランド力がついても、それがスマートフォンなどの利益に貢献するわけではありません。
さらに、テレビや電子書籍などでは、SONYやシャープなどが、アップルのようにコンテンツやアプリの販売で収益を求める動きがありますが、こちらもアップルのように、まだまだ機器からプラットフォームまでの収益を得るという一貫したビジネス・モデルを持っているプレイヤーはおらず、こちらでも利益が分散しています。
今は、スマートフォン市場が急成長し、普及している段階なので、たとえ高収益をもたらす、ブランド力やビジネス・モデルをもたなくとも、それぞれのメーカーにとっては、、出荷数量の伸びで利益額は増え、弾みがついていますが、この種の市場は普及も早く、成熟も早いことが、逆にリスクとなってきます。市場の伸びが鈍化した瞬間から、激しい価格競争が始まることはまず間違いありません。
それまでに強いブランドと利益のでる仕組みとしてのビジネスモデルをいかに構築できるかが「グーグル共和国」に参加しているそれぞれのプレイヤーのほんとうの課題です。
その第一歩は、まずは、スマートフォンを塗り替え、「スマートフォンといえばiPhone」というポジションを奪ったように、スマートフォンで「デキルコト」を塗り替える新しい発想をもちこむことになります。どのプレイヤーからそんな新しい発想が生まれてくるのか、「グーグル共和国」内の激しい競争が、そのようなイノベーションを促進するのか、ほんとうに興味深いところです。
明日は名古屋です。また新しい出会いが生まれることを楽しみにしています。
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この点では日本のスマートフォンはどれでも同じなので早く充実してほしいと思います。