昨夜のオーストラリア戦を観て、睡眠不足だという人が多いのではないでしょうか。ほんとうに目が離せない緊迫した試合でした。
川島のまさに鬼のような形相で、守護神というにふさわしい、気迫あふれた守備にどれだけ救われたか、「身を呈して守った」という表現がふさわしいかもしれません。川島に限らず、日本の選手たちが見せてくれたのは、心の強さだったと思います。
かつての日本の団体スポーツは、チーム主義を強調するあまりに、個々の選手が競り合いに弱く、また追い込まれるとあっさり心が折れてしまうとう欠陥がありましたが、アジアカップを通して、ひとりひとりの心の強さの上に、強いチームも生まれるということを見せてくれたようにも感じます。
それにしても、ザッケローニ監督のリーダーシップはすばらしい。選手から、モチベーションを引き出す才能は、桁外れだと感じます。もちろん、JAPANがかつてよりも強くなってきていたことがあったとしても、就任後の戦績が物語っています。
リーダーシップの研究の中に、「構造創始」と「配慮」のふたつの才能に着目するものがあります。「構造創始」とは戦略を生み出す才能で、「配慮」はひとのモチベーションを引き出し、巻き込んでいく才能ですが、その両方を持っている人は少なく、ザッケローニ監督はそのどちらも持っている稀有の人材だと感じます。
かつては、若い頃の豊臣秀吉は、戦に土木工事を持ち込むイノベーションを起こしたことと、また心をつかむ天才で、敵をも味方にする「ひとたらし」だったと言われています。田中角栄もそうだったのかもしれません。
そういえば、石原都知事が「携帯・テレビ・パソコン」が若い人を駄目にした、「若者はこれらによって、膨大な知識を得ることが出来る。しかし、知識に『身体性』がない。本当の『教養』になっていない」とテレビで発言されていました。
ほんとうにそうでしょうか。若者が駄目になったというよりは、駄目になったとすれば、日本の政治や経済であり、その原因をつくったのは若い人達ではなく、なにもことさら若い人を嘆く必要を感じません。
普通の年寄りなら、ボヤいてもいいのですが、少なくとも日本が駄目になった原因をつくってきた権力の中枢にいた人の発言としては無責任だなあと感じますが、まあそれが石原都知事でしょう。
それに若者はテレビを見なくなってきているわけで、携帯やパソコンは避けて通れない文明の変化です。それにどうむきあうかが問題であって、それが駄目だといいだすなら、さっさと人里はなれた世界に隠居すべきです。
「身体性」の大切さはいうまでもないことです。しかし、それを言い出したら、鉄道もなにもなかった昔に戻れということになってしまいます。命を賭けて海を渡った遣唐使や、厳寒のなかも山々を巡り、切り開いてきた修験道の修行増の「身体性」に比べれば、現代人の「身体性」はたかが知れています。
昨夜のサッカーは、その「身体性」でも「精神性」でも日本の若い人達が強くなってきたことを証明してくれたように感じます。
ザッケローニ監督の選手への信頼から生まれてきたのだと思います。若い人を嘆くのでなく、もっと信頼することこそ、日本の社会に求められているのではないでしょうか。
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