「食糧自給率などというまやかしをやめ、農業生産額、農業所得、農作物の輸出を増やすことを目標に掲げ、流通やマーケティングを強化しながら農業を強くすべきだ」という自民党の河野議員の主張は歯切れがいいですね。
農水省を潰して、経産省に統合させるというのも正論でしょう。農業も立派な産業なのですから。しかも、農業といえば生産だけがクローズアップされますが、現実は、流通経路、販売にいたるサプライチェーンの革新も起こってきており、農業の効率化や高付加価値化は、生産者だけではなく全体のしくみでも考えなければならない問題だからです。
始めよう、農政改革
この河野議員とは対照的に、TPP絶対反対、もっと補正予算を増やせと内閣に迫るこの前の補選で当選した町村議員と、同じ党の人だというのも混乱させられますが、それは民主党にも言えていることです。
農業問題は誤解に満ちています。今朝のスーパーモーニングが実にお粗末でした。自給率40%をそのまま信じて、番組を進めていたり、鳥越さんが日本の農業は米が主体と言ってみたり。
外食産業でどれぐらい輸入食品を使っているかはわからなくとも、普段買う食品で国産のものが4割しかないのだろうかと想像してみれば、カロリーベースの自給率の罠がわかるはずです。日本で消費している食糧の7割は国産です。しかも家計簿をつけなくとも、食費のなかで米が占める割合がトップだという家庭がどれぐらいあるのでしょうか。
幾度でも書きますが、カロリーベースで自給率が低いのは穀物飼料を輸入に頼っているからであり、しかも飼料は関税も優遇されており、安い輸入飼料を使うように農水省が誘導してきたからです。
また米作中心なのは、農政がそうなだけであって、実際の産出額、つまり売上規模では、畜産がトップです。次が野菜や果物、米は第三位であり、決して日本の農業の実態は米作中心ではありません。そちらのほうが家計の感覚に近くありませんか。
昨今では、輸入飼料をつかわずに、休耕田の雑草の豚に食べさせ育てたり、休耕田に飼料用の米を植えて育てるという試みも行われ、それが豚のブランド化となって成功している例もあるようです。
実は、昨夜は自宅でそのブランドの豚を使ってちり鍋(豚しゃぶ)をやったのですが、すっかり堪能させてもらいました。美味しいのです。山形県で育てた豚がブランドとなり、大阪の郊外のスーパーでも買える時代だということです。
平田牧場
この平田牧場に限らず、農業に従事している方のほうが昨今は熱心にブランド化にチャレンジされてきていることを感じます。
フランスがEU前身である欧州経済共同体(EC)加盟国拡大による農産品の自由化に備え、トレーサビリティを強化し、畜産品のブランド化をはかったのですが、農産品の自由化の結果、もっとも打撃を受けたのはむしろ低価格を売りにしたスペインの農業であったという記憶があります。
まるで族議員さながらにTPP反対と叫ぶよりは、農政の改革を本気で進めないと、農業の成長や進化の機会を失ってしまいかねません。TPPにしても、二国間の自由貿易協定にしても、生産者から反対の声があがり、族議員がその後押しをするという構図がつづく限り、農業が日本の経済の足枷だというイメージが定着してしまいます。それは不毛だし、農業に従事する人たちの望むところでもないはずです。
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いずれもあります。休耕田に生えた木まで豚は根を食べ、耕してくれるそうです。