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大阪の地下鉄御堂筋線「昭和町」駅の出口のすぐ近く、表通りから路地に入ったところに、「四軒長屋」を再生させ、そこでレストラン四店が営業している場所があります。昭和8年(1933年)に建てられた建物だそうです。寺西家の阿倍野長屋・町屋です。
京都の老舗のなかには古い建物をそのまま利用しているところとか、また町屋を再生したお店が増えていますが、長屋であり、また違った趣を感じる建物でした。
寺西家 阿倍野 長屋・町屋

ランチをと思って立ち寄ってみると、最初の店はその日は借りきりで利用できないと丁重に断られ、次の店も予約で一杯。三店目でやっと入れたのですが、かなり人気スポットになっているようです。

店に入って二階に通されたのですが、立派な床の間があり、また建具なども手がかかっていて、かなり上質な建築だということが感じられます。
そういえば、こんな雰囲気の家で育ったという昔を思い出し、懐かしさも感じました。

都会のなかの古い街の光景にあった長屋も、どんどん減ってきました。住む人たちもどんどん高齢化し、また亡くなり、その後に借りて住む人がない、だから壊して,マンションや商業施設になっていっています。

この寺西家の阿倍野 長屋・町屋の大家さんも、さまざまな再開発の提案を受けてきたようですが、なぜ、保存し、再生することになったかの経緯が、その大家ご自身が書かれています。
1.長屋がなぜ残った

を残すかどうかで、さまざまな人たちとの出会いがあり、またその人たちの思いが伝わるにつれ、大家さんの気持ちが保存に傾いていったようです。
これまで、老朽という言葉で片付けられてきた、この長屋が、愛しいものに感じられるようになってきた。
これをつくった大工さんの心が伝わってくる感じがし、「昔の方が、建物に対し、 美しくしたいという想いが、こもっていたのではないか。」と想えてきた。
この選択が正しかったようです。その長屋のある近辺は人が集まってきており、お店として再生したために、多くの人たちが、この感性の豊かな住空間を楽しめ、地域としての個性ともなり、価値ともなってきていることが外観からだけでも伝わってきます。

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