2009年の国内映画興行収入は、アバターなどの3D映画のヒットで、歴代2位の2060億円になり、それに味をしめたのか、東映などの大手3社が、客単価の増収効果を狙って、3D対応映画館を来春3割に増やすそうです。
3D対応映画館、来春3割に 東映など大手3社
客単価上昇の増収効果に期待
その記事を見て、それよりも先にやることがあるだろうと思ってしまいました。それは客単価のアップではなく、客数増です。日本の映画が抱える問題を海外と比べると、動員数が少なく、映画を見る人や、見る頻度が少ないこと、つまり市場が小さいことのはずです。
日本の場合は、1億6千万人の動員数で、人口をやや上回る程度ですが、韓国は人口の3倍、アメリカは5倍弱の動員数があります。日本のマーケットが小さすぎるのです。
原因ははっきりしています。スクリーン数、つまり映画館が少ないこと、それに料金が高いのです。アメリカなら、大学の構内にも映画館はあり、また5ドルもしないで見ることができる映画館も多いといいます。
ちょっと古いデータかもしれませんが、「中国映画のチャイナベ-シネマ」さんのブログで、「数字で比較 中国・アメリカ・日本映画市場」を見つけました。
「数字で比較 中国・アメリカ・日本映画市場」
GDPと興行収入の比較、「平均月収」と「映画チケット代」と「チケット代比率」の比較、「人口」と「スクリーン数」と「1スクリーン当りの人口数」などを中国、アメリカ、日本の比較グラフがあります。
中国と比較すると、まだ日本のほうが映画市場は相対的に大きいとしても、アメリカとの格差は大きく、家計に占めるチケット代は日本が高く、スクリーン数が少ない、当然、一本あたりに稼げる興行収入も小さいことがよくわかります。
日本が映画コンテンツで世界をリードしたいのなら、市場を育てることをまずもってやらなければなりません。映画を見る人が増え、興行収入が増えれば、コンテンツ産業が育つ環境も整ってきます。
映画館がもっと競争する政策を進め、映画館を建てれば自由に映画の配給を受けることができるようにすれば、結果としては、スクリーン数も増え、また料金も下がるはずで、今の映画産業全体も成長するはずです。予算は不要です。自由な競争促進を政治がそっと後押ししてあげればいいだけのことです。
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