ウィスキーが絶好調だといいます。サントリーが火をつけ、さらにその後、キリンも参入して活気づいたハイボール。その勢いが止まらないばかりか、東洋経済オンライン記事によると、サントリーのウイスキー販売量は1〜4月累計で前年比31%も拡大し、「角瓶」にいたっては同77%増という状況だそうです。
ハイボールが若い人たちとウイスキーの出会いをつくり、飲む習慣が広がり、またそのことがウイスキーそのものを楽しむことにつながった明るいサクセスストーリーです。市場を広げることが、リーダー企業の王道だということをも物語っています。
酒離れをよそに大奮闘、ウイスキー激売れのワケ
このサントリーのハイボールのマーケティング、またキリンとの競争については、『それゆけ!カナモリさん』に詳しく書かれているので、そちらを参考にしていただければと思います。
キリンvsサントリーのハイボール戦争!
ハイボールの成功は、飲料で炭酸が好まれるようになってきていたことや、「低価格の商品なら、炭酸割りだと一杯単価はビール以下」といった背景があったとしても、なんとかウィスキーの凋落に歯止めをかけたい、ウィスキー離れしてしまった若い人たちに飲んでもらいたい、若い人たちが飲んでくれるようになれば、ウィスキーの世界の奥行きは深く、きっとさらに楽しんでもらえるはずだ、なにかその突破口はないだろうかと思い悩み、そのチャンスを追いかけ続けていなければ、きっとこのサクセスは生まれなかったのではないかと思います。
あきらめずに、思い込みを捨て、素直に若い人たちの嗜好の変化に目を凝らし、耳を傾け、チャンレンジしてみようというマインドの大切さを教えてくれているようであり、勇気づけられます。またサントリーの「やってみなはれ」の精神のDNAがしっかり生き続けていたのかもしれません。
あるいは、まさか苦し紛れの一手がたまたま当たっただけのことでしょうか。
《それゆけ!カナモリさん》の金森さんは、「ウイスキーを炭酸水で割ったハイボール。『おじさんが一人安居酒屋で飲む物』といったイメージを持っている読者もまだ多いかもしれない」と書かれていましたが、きっと若い人たちは、そんなイメージもなかったと思います。
だから、若者たちの間でハイボールが密かに流行しはじめていたことがチャンスと気づいた人がいたのでしょう。素直にいけると思ったのでしょう。
そんな気づきがあっても、アイデアを殺す人がいるとなかなかそこから先には進まないというのが、世の常です。ハイボールなんて昔からある、『おじさんが一人安居酒屋で飲む物』というイメージが染み込んでいるから駄目だ、もっと斬新なアイデアがないのかと発言する姿が目に浮かんできます。
アイデアを評価するときは、思いこみではすぐには判断しないこと、一呼吸置いて、そのアイデアが成功する背景はあるのだろうか、成功するためにはどんなことが必要なのだろうかと、ポジティブかつ冷静に考えて見ることをお勧めします。本当に若い人たちが、好むのかということが疑問なら、すぐに試飲してもらい、評価を聞いてみればわかることです。
いったん可能性が見えれば、あとはしっかり議論し、アイデアを出していけば、いいマーケティングの組み立てはできてきます。
奥行きの深さという点では、日本酒やワインも同じです。日本酒も飲み方の提案次第で、日本酒は酔ってしまう、翌日に残るというマイナスイメージを払拭できるかもしれません。ワインもやりようではもっと需要を掘り起こせるのではないかと感じます。
多くの市場で、閉塞感がありますが、ハイボールが切り開き、ウィスキーを復活させたサントリーの成功物語から、自らのビジネスにも、盲点となっているチャンスがないかと思いを巡らせている人もいらっしゃるかもしれません。
いずれにしても、サントリーのウィスキーのマーケティングの成功は「あきらめない」、「思い込まない」、「やってみる」というマインドが、やはり大切だと教えてくれているようです。
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