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改正薬事法をめぐってのマスコミ報道は、いかにも規制緩和が進み、コンビニやスーパなどの新規参入が促進され、業界が大きく変わるという基調のものが目立っています。
しかし冷静に考えてみると、実際には規制の強化ではないかという気がします。もっとも副作用のリスクの低い3類ですら、登録販売者制度を導入し、対面販売を義務づけました。
規制緩和だとすると、なぜネット販売が規制されたのか、なぜ登録販売員という制度でわざわざ規制をかけたのかの説明になりません。
そもそも、この改定薬事法が目指しているのは、規制緩和に主眼があるのではなく、セルフメディケーションの促進をはかるためであり、今回の改定はその地ならしとしてだと考えたほうがいいのではないでしょうか。
セルフメディケーションの促進とは、現在の大衆薬市場を活性化させることではなく、医者の処方箋がなければ販売できない医薬品をどんどん一般大衆薬に転換し、店頭で自由に入手できるようにすることです。スイッチOTCと言われているものです。
それによって、増大する健康保険の医療費負担を軽減したいということでしょう。軽い病気なら、医者に行かずに全額自腹で薬を買えということです。それはそれで是か非かで意見はあるでしょうが、これまでお医者さんが診察し処方してくれる「効く薬」には、副作用が多少ともなうリスクのあるものもあります。そう考えると、1類に入ってくるスイッチOTCの販売に関しては、なんらかの管理や秩序を強化しておきたいということになります。
現在のもっとも大衆医薬品の大きな流通経路は、ドラッグストアですが、薬剤師による対面販売がともすれば有名無実になっている場合もあります。一般の店員さんも白衣を着ていて、薬剤師との区別がつきません。
だから、対面販売の原則を再度つらぬくとともに、さらに薬剤師の管理責任を厳格にしておこういうことでしょう。そこには、消費者の利便性をどう向上するかという発想はなかったと見る方が自然だと思います。

もちろん登録販売者制度によって、業界にさざ波は起こるかも知れません。もっとも有利なのがドラッグストアではないでしょうか。これまでは薬剤師がいないと営業できなかったものが、登録販売者さえいれば、1類に指定された医薬品販売はできませんが、それよりは薬剤師なしの店舗をつくったり、薬剤師のいない時間でも営業できるメリットのほうが大きいことはいうまでもありません。
コンビニが医薬品を売るということでは、登録販売者制度がネックになってくるでしょうが、ドラッグストアのコンビニ化は促進されるかもしれません。
また薬剤師の必要な1類の医薬品を除いた品揃えで販売する新しい業態がでてくることも考えられますが、売上規模が仕入れ価格を左右するだけにビジネスとして勝算はそう大きいとは言えません。
厚生労働省は、あまりにも細かな医薬品の分類の枠組みを緩和しようという動きもあるようですが、実際には認可を受けるための手続きがより煩雑になったということも聞きます。今回の改正薬事法を、業界の秩序を強化する目的もあるという視点から眺め返してみてはいかがでしょうか。そうすればネット規制を行った謎も解けてくるものと思います。


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