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この景気後退はこの先一服感がでたとしても、かなり長期に渡ると考えた方がよさそうです。そして、おそらくこの不況はさまざまな分野での構造的な変化をもたらすでしょうが、まずは市場の変化に、柔軟、かつ迅速に対応できるのか、さらにしくみの変革を実現できるのかに焦点が移ってくると思います。
どのような変化が起こってくるかは、市場の分野によって異なってくるでしょうが、さまざまな企業に共通する競争上の課題は、よほど独占的な技術や市場の地位を持たない限り、商品やサービス個々の差別化というよりは、コスト競争力をあげていく、また顧客にとってのバリュー高めていくしくみづくりだと思います。
それは、もう多くの分野ですでに競争が起こっているのでしょうが、スーパーやコンビニの店頭に行けば、価格を巡る変化の大きさに気づきます。とくにコンビニの特売アイテムが次第に増えつつあることにお気づきでしょうが、今までなかったことです。

同業界内の競争だけでなく、マイケル・ポーターがファイブフォースで示した、売り手と買い手の力関係、新規参入や代替品の脅威ということも現実的な問題としてクローズアップさfれてくると思います。しかも健全な利益を確保して、価値を落とさずにコストを切り下げるのは、原材料の調達から販売、あるいはアフターサービスにいたる仕組み、つまり価値連鎖でなにかを変革しないと実現できません。
あるいは思い切った商品やサービスの変革を行って、価格競争に巻き込まれない分野に避難するかですが、競争から逃れることのできる分野は市場が小さいということ、またリスクも覚悟しないといけないということになってきます。実際、今飲料などの分野では新カテゴリーと感じる新商品ラッシュが起こっていますが、一時的なブームは起こせても、市場に定着できるものは案外少ないと感じます。小売りもオーバーストア、商品もオーバーアイテムというのが現実です。

さて、そんな状況のなかで、再び、ミドルマネージャーに期待をこめたコラムがでていました。
ビジネスの品質は35歳から45歳が決める
記者の眼:「できる」と思えば案外できる

では、ミドルが時代変化に柔軟に対応して、会社や事業にイノベーションをもたらす鍵となりえるかというと、そうそう楽観的にはいかないのが現状ではないかと感じます。。
確かに現場力、現場の品質を保ち、向上するということで鍵を握っているのはミドルといわれる現場のマネージャーの人たちです。年齢的には35歳から45歳ぐらいの管理職の方々でしょうか。
現場でのリーダーを担っている人たちですから、その人たちの資質によって現場力がや現場の品質が大きく左右されるのは当然であり、現実的にもそうでしょう。

しかし、現実は、今は多くの現場が、コスト競争の激流にさらされ、またさまざまな顧客からのニーズの難題を抱え、イノベーションどころではないというのが実態ではないでしょうか。
仕事が複雑化し、さらにスピードも求められ、負荷がオーバーとなっていて、かつて元気であった現場も、市場の状況が悪化するにつれ、活力を失ってきているところも少なくないことを痛感します。むしろそんななかで、ミドルが保守化しはじめる傾向も増え始めているように感じます。

イノベーションにおけるミドルが果たす役割では、神戸大学の金井壽宏先生の研究が有名ですが、ミドル・アップダウンがうまく機能してきたのは、その企業の大きな戦略が成功しているとき、たとえばデジタル家電で世界市場を席巻していたときのように、それ行けどんどんの状況にあるとき、つまり事業そのものが時代の流れ、フォローの風に乗っているときであったのではないでしょうか。
変革型ミドルの探求―戦略・革新指向の管理者行動

実際現場で活躍し、現場と経営つなぐ役割を果たしながら、改革を生み出していくのはミドルが鍵を握るということは、今でも変わりないでしょうが、今日のような市場で逆風が吹いているさなかで、ミドルの人たちの変革力に過度の期待することは、かえって企業の戦略的な転換を曖昧にしてしまう恐れもあるということです。
現場からわき上がってくるイノベーションを期待したあまりに、大きな時代の構造変化に対応できず、業績を落としソニー・ショックをひき起こしたという苦い経験も目の当たりにしてきました。
当たり前のことですがミドルが意志決定できる範囲には限界があります。この大きな時代変化のなかで、ミドルにお任せではあまりにも課題が重いのではないでしょうか。むしろ経営戦略そのものが問われてくる時代ではないかと感じます。
というか、実際に現場に大きく権限委譲され、大成功したプロジェクトの体験がありますが、本当のことを言えば、もっと上の優れた経営者が、課題を投げかけ、またプロジェクトが危機に陥ったときは、プロジェクトを保護しながら改革を創り出したというほうが実態であったように感じます。さまざまな提案やアイデアの実行を擁護し、育てていく「チャンピオニング」の問題でしょう。
今は、ミドルに変革力を期待するというよりは、むしろ経営に問われている課題を直視し、課題解決のためにミドルの変革力、課題解決力を引きだすべき時期にあるのではないかと思います。つまり経営のリーダシップの重要性が増してきたということではないでしょうか。

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