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竹中さんが、つい最近まで、政権の中枢にいたことを忘れたかのような評論をしているので面白いから紹介します。あー言えば上祐というのがありました。なにかを批判すればたちまち激しく反論を返す、あー言えば竹中さんですが、論点を要約するとこんな感じでしょうか。

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危機脱出へ 経済政策の抜本見直しを
・まず事実を認識しなければならないのは、世界同時不況の中で、日本の落ち込 みが最も深刻であるという点
その通りです。麻生さんが、金融危機という視点しか持てず、日本は打撃が小さいと見ていたこと、また与謝野さんがハチに刺されたようなものだと軽く考えていたことなど、今の政府は現在起こっていることを理解していないですね。理解していない人たちが経済政策を握っているから恐ろしいことです。
・円安によって外需関連産業が実力以上に拡大していたが円バブルの崩壊も原因だ
外需の低下がGDPの大幅減少を招いていることは認めた上での主張ですが、まったく認識が間違っています。
日本の輸出が円安で有利になったことは間違いないにしても、円安だから安売りができて外需が増えたとでも言いたいのでしょうか。日本の企業の競争力が外需を広げたのです。
円安→低価格による競争があったという誤解がありますが、日本の多くの企業、自動車産業、エレクトロニクス産業、またそれらの部品や素材産業、工作機械などの産業が取った戦略は、高付加価値化による差別化であり、円安によって有利な状況があったとしても円安が競争力の要因とはいえません。
ちなみに、リスクヘッジの範囲を超えた急激な円高は為替差損を生み企業に大きなダメージを与えますが、緩やかな円高ならそれを吸収する能力を各企業は持っています。金融バブルで膨れあがった米国市場、また迂回回路である中国への輸出に各企業が軸足を置いてきてしまった、その需要が消えてしまったことが最大の原因です。
むしろ円安によって、どんどん交易条件が悪化し、年間で25兆円程度が海外に流出してきたこと。つまり日本に入るはずのお金が目減りし、それがひいては国内経済を停滞させる要因にもなってきたこともあわせて書いておくべきじゃないでしょうか。
また竹中さんが進めた政策は、輸出関連の企業優先の政策であったように感じるのですが、それは勘違いでしょうか。
・規制緩和が遅れて改革が停滞し、内需が成長しなかった。
それは事実でしょう。経済特区構想も官僚の抵抗で進まず、減反政策も見直すことなく、道路利権を守っているようでは、最も重要な国内産業の生産性拡大にもつながらないし、内需は拡大しません。もうすっかり規制緩和の議論が進まなくなってしまって、お先がちょっと暗いですね。
・経済政策の内容は極めて乏しく、財政による経済刺激の規模はGDPの2%程度であり、これに対し、米国ではGDPの4−5%に相当する財政刺激策を議論している。もっと大胆な経済政策が必要だ。日銀もバランスシートを縮小させ、消極的。
これは識者のなかでも議論のあるところで、そちらの議論にお任せします。そういったアメリカの経済政策が危ういと思う人も結構いて、大前研一さんはすでにオバマ政権の経済政策の問題を指摘されています。
相当に危ういオバマ政権の経済認識

竹中さんは、経済学者だから知らないのかもしれませんが、もっと恐ろしいのは、これまで生産性が高く、経済を牽引してきた輸出産業のエースのエレクトロニクス産業ですでに成熟化がはじまり、成長産業ではなくなってきたこと。
それとともに、韓国のサムスンやLGを筆頭に、中国や台湾企業との競争の脅威にさらされ、金融危機による需要減を迎えるまえに、相当市場が悪化し、利益がとれない状態になりつつあったということです。自動車も蓋を開けてみれば、実はすでに市場が成熟してしまっていたということでした。
これまでの主役に代わって経済を牽引する生産性の高い成長産業が、まだ育っておらず見あたらないということのほうがもっと怖いことであり、それらを育てるには、相当戦略性が必要だと思うのですが、対処的な経済政策をやっている限り、日本の回復は遅れるばかりのような気がします。


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