消費が減速しはじめると、激しい淘汰と集約の波が押し寄せてきます。以前にも書きましたが、やがてそれぞれのカテゴリーで生き残れるのは1社か2社という「市場の小選挙区化」がどんどん進んできます。
すでにデジタル家電では、その傾向があらわれてきたようです。国の家電量販店の9割程度にあたる約4500店の販売実績をまとめたGfKジャパンのデータを基に集計した結果、2008年の主要11品目で上位2社の国内販売シェア合計が前年より伸びたのは7品目。9品目ではシェアが5割を超えたそうです。
デジタル家電、寡占が加速 2強シェア5割超、08年は9品目
強いブランドへの寡占化の流れのなかで、弱いブランドが生き延びるには、新しいカテゴリーを創造するか、ニッチな領域を創り出すか、いずれにしてもブランドのコンセプトやポジショニングのユニークさが鍵になってきます。そのときにつねにつきまとってくるのは、大きな市場で10%のシェアをとるか、10%の小さな市場を独占するかという戦略の選択ですが、いずれにしても、技術だのみのイノベーションの蟻地獄から早く抜け出すことだと思います。目的、体験、利用方法などユーザーの視点から見て、どのようなイノベーションがあり得るのかを探索すべき時代が始まっているのではないかということです。
消費者のベネフィットの革新、そして新鮮な感動や驚き、また共感をつくりだすことに開発の目標を置くのと、他社製品と技術的に、あるいはデザインでどう差別化するのかに目標に置くのでは、おそらく開発の方法も違ってくるものと思います。
ただ、昨今はユーザー側の望むイノベーションのハードルがどんどん高くなってきているので、理屈としてはわかっても、具体的にどうすればいいのかというのは結構難しくなってきていることも事実です。
さて新製品としては、直近では、SONYがVAIO Type Pがティザー広告などの展開でも話題となり、「ポケットスタイルPC」という新しいポジショニングで、デザインやスペックにこだわった群雄割拠のミニノート群としては、ワンランク上のPCを出してきました。カタチはミニノート、性能はPCに近いという微妙なPCです。
体験イベントなどもあったために、さまざまなブログで詳細な情報が書かれていますが、確かにデザイン、スペックともに開発スタッフの強いこだわりが伝わってきます。
価格競争が激しいミニノートの分野で、日本ブランドが成り立つためには、そういうことになるのかとも思いますが、新鮮な感動や驚きを感じる鮮度の高いコンセプトやポジショニングなのかというとちょっと、戸惑いを感じるのが正直なところです。価格でちょっと厳しいかも知れません。それに無線LANとNTTドコモの高速データ通信HSDPAを使うということですが、通信費が気になります。ちょっとリッチな人向けですね。
はたして、群雄割拠のミニノートとは違う存在として独自のポジションを得ることができるのか興味の深いところです。
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