
iPhone3Gを求めた表参道の行列がニュースで流れていましたが、あちこちのSOFTBANKショップでも並んでいる人の光景を見ました。
あれだけニュースに取り上げられ、劇場化されると、パブリシティ効果はきわめて高く、販売に相当弾みがついたものと思います。あとはこのフィーバーがいつまで続くかに関心は移ってきます。もともとがかなりターゲットを絞った製品なのですが、このフィーバーぶりからすると、入手できるのはちょっと先になるかもしれません。
iPhone3Gの魅力は、なんといってもインターネット接続です。前評判は高いのですが、実際に使ってみたいという衝動に駆られます。どのように入手するかはいろいろ模索中ですが、入手次第またレポートします。
音楽プレイヤーとか、写真ビューアの機能はオマケかなと思っています。それよりは、今後APPストアでどのようなアプリケーションがでてきて、iPhoneをプラットフォームとした新しいビジネスモデルが展開されるのかほうに関心は向かいます。iPhoneは携帯機能を持った新しいカテゴリーに位置づけられるものというのが正確なところでしょう。
それで思い出したのが、もう何年か前になりますが、関西でNTTドコモの新入社員のかたがたを対象とした講演を依頼され、そのときに強調したのは、ひとつは国内だけでなく世界に挑戦するNTTドコモであって欲しいこと、また携帯をプラットファームとした新しいビジネスモデルを創造する担い手になって欲しいということでした。残念ながら、NTTドコモではなく、それをアップルが実現しようとしています。
さて、どのニュース番組も同じ紹介のしかたをしていたので、原稿はSOFTBANKから流れたものでしょうが、ワンセグがないということと、お財布ケータイがないということが明確に伝わっていたように思います。それもほとんど問題にならないと思います。これだけ携帯が多様化してくると、それこそ携帯になにを求めるかということもさまざまなユーザーに分かれてきます。別にワンセグがなくとも、お財布ケータイがなくともいいというユーザーも決して少なくありません。実際ワンセグもあればいいという機能でしょうし、改札で携帯を使っている人も、コンビニで携帯で決済している人も、見る限り多数派ではありません。
昨今、大手量販店の携帯売り場に行くと、それぞれのキャリアのコーナーにこれでもかというほどのおびただしい種類の携帯が展示されているのですが、飛び抜けて存在感のあるものがほとんどありません。デザインの違い、色の違いがあり、機能の違いが示されているのですが、なにか惹きつけるものを感じません。みんなディテールが違うだけで本質は同じだと感じてしまうのです。
おそらく、ユーザーをセグメント(S)して、ターゲット(T)を絞り、どのような立ち位置、ポジショニング(P)を行うかというマーケティング戦略の基本としてのSTPの煮詰めが弱く、機能の足し算の開発が横行しているからではないかと感じてしまいます。
モノとしてのiPhone3Gも面白いとは思いますが、むしろ注目したいのは、アップルのマーケティング戦略であり、ビジネス・モデルのほうではないでしょうか。
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残念ながら、無い物ねだりはできないように感じています。
アップルは世界最強のソフトウェアの会社、そしてハードウェアと
ソフトウェアが両輪となり進むことが、最も大事だという強い信念
を持っている会社。
近い将来、携帯端末独自のCPUやチップセットを開発することも
表明していることもあり、もはやビジネスモデルのうんぬんのレベル
では無いのではないでしょうか。
2000年頃から黙々と多くの批判を浴びながらも続けて来た努力が
我々の想像を越えた部分で実を結び始めていると思います。
他社がすぐに追いつくといったコメントを良く見かけますが、
時速100kmで走るアップル社に、時速20kmで追走する者が
果たして追いつけるのでしょうか? 疑問です。