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「キャズムを超えろ!」は、松下電器をお辞めになってネット家電を作るベンチャーを起業されたハンドルネーム「和蓮和尚」さんの人気ブログですが、今ビジネスで必要なのは「お客さまを超える」ということじゃないかとつくづく感じます。
キャズムを超えろ!

マーケティングはお客さまとの発見の競争であり、どちらが先にお客さまの心の中に潜んでいたり、まだ気がつかれていないニーズやウォンツを発見するかでお客さまの満足の度合いも決まってくるということです。
お客さまが先に気がついていれば、そう大きな感動も満足も引き出せません。お客まさより先に気がつけば、それは凄いとか、良く自分の気持ちをわかってくれているという共感や感動をつくりだすことができます。

マーケティングは、社会がどのように動いているのか、お客さまのニーズやウォンツにはどのようなものがあり、どう変化しているのか、会社にはどのような能力があり、ライバルとどのように差別化し、どのような立ち位置で競争するのかという関係を俯瞰しながら、なにをすればもっともお客さまの満足を引き出すことができるのかを考えることですが、製品やサービスが高度化してくると、お客さまも自分が何を望んでいるのかがわからなくなってきます。だから、お客さまも気がついていないニーズやウォンツを引き出すマーケティングが重要になってきているということです。

たとえば、携帯でもそうです。電話ができれば十分満足であったはずです。小型化すればもっと満足度が上がり普及に拍車がかかりました。この程度はあたり前の話です。しかし、そこにインターネット通信やワンセグなどの機能が登場してくると、あっ、それは便利だとはじめて気がつきます。そしてそこに新しい競争の焦点が広がってきます。現代の競争ってそういう風になってきているということでしょう。

企業相手の、いわゆるB2Bのビジネスでもそうです。たとえ、なんらかのサービスを契約することで、見かけのコストがあがったとしても、それが生産性をアップさせるものであったり、競争力を高めたり、効率化によって結局はコストが下がるというアイデアならお客さまの満足を引き出すことができます。しかし、最初からお客さまが、そうしたいと気づいているとは限りません。提案があって初めて、それはいいということになるのでしょう。

しかしそこには気をつけなければならない落とし穴もあります。
過度な技術志向
新しいサービスや技術はどうせお客さまにはわからないという奢りみたいなものが生まれてくる危険性があるということです。それでどんどん技術志向に向かっていくと、やがて、お客さまを見ないで、開発が暴走するということも起こってきます。次第にお客さまのハートと距離が生まれてくるという落とし穴です。これだけマーケティングという考え方が浸透してきたにもかかわらず、未だにプロダクトアウトによる失敗事例が後を絶ちません。
ライバルばかり見てしまう
さらに業界が激しい競争関係にあると、ライバルの動向ばかりに目が向いてしまい、新しい機能やサービスの開発競争に明け暮れ、やがてそれがお客さまのニーズやウォンツとかけ離れた開発競争となりがちです。市場が伸びているうちはそれでもいいのですが、気がつくと市場が成熟して、どんどん価格が下がっていくということも多いですね。
お客さまが声にしてくれない
実は、お客さまを超えると言うことは、これまで以上にお客さまの研究が必要だということです。お客さまのご不満や、こうしたいという声も大きなヒントになりますが、ほとんどが改善点の発見にはつながったり、お客さまを知るためには重要であることは言うまでもありませんが、そこに新しいアイデアが潜んでいるとは限りません。だからお客さまの声を軽視するこということも生まれてきます。しかし、必要なのは、もっと深くお客さまを知り、お客さまに代わって、きっとこういうことをすれば喜ばれるということを発想できる達人となるということでしょう。

自らのカンをを鍛えるためのお客さま研究を
お客さまの価値観や行動の変化を観察また調査して、本当はこういうことを望んでいらっしゃるのじゃないかということを気づくためのお客さまの調査や観察が重要だということです。いくつもの仮説を組み立て、それで実はこんなアイデアがあるのですがどうですかと質問してみる、それまで潜んでいたお客さまの不満、実はこうしたかったという声もはじめて引き出せます。
良いリサーチャーとそうでないリサーチャーの差は、そういったお客さまのハートを読み解いて、隠されたニーズやウォンツを引く出せるかどうかですね。お客さまを超えるということは、お客さまの肌触りみたいなものを感じ取るぐらいにまで、もっとお客さまを研究することから始まるということじゃないでしょうか。

現代の営業部門、またマーケティング部門は、その分野のプロフェッショナルとして、お客さまを研究し、まだお客さまが気がついていないニーズやウォンツを発見する代理人としての能力が求められてきているということでしょう。
言うは易く、行い難しですが、それが本当の実力、本当のプロフェッショナルだということですね。

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