
洞爺湖サミットは、温暖化対策についても、緊急の課題である資源問題についても、残念というか、まあ予想通り無難な線で落ち着いたようです。きっと評価は分かれるでしょうが、まずは無事終わったということでしょうか。
フランスのサルコジ大統領が福田総理との会見をしないというおまけまでつきましたが、日本が好きだ嫌いだとか、日本びいきだったシラク前大統領との違いを示したのではないかとかといわれていますが、おそらく日本は示せる唯一の経済的な影響力も失いつつあり、存在感が薄れた日本とは話し合うメリットがあまりないということでしょう。まして次は福田内閣はないということも存在感を薄くしているのかもしれません。
それにリーダーシップを取ろうとするなら、外交的努力以上に、リーダーシップを取る側に明確なビジョンが求められますが、残念ながら、今の日本は財政再検討と言うシナリオ以上に、進路を示す明快なシナリオがありません。
進路と言えば、サミットに合わせて、経済財政諮問会議が「構造変化と日本経済」専門調査会が、「グローバル経済に生きる〜日本経済の若返りを〜」というタイトルで、世界の劇的な変化に対応した新しい日本経済のカタチを描いた報告書を公表されました。平成版前川レポートということでしょうか。財部誠一さんの「ビジネス立体思考」によると、福田首相はこのレポートには無関心で、調査会長の植田和夫東大教授が福田首相にリポートを手渡すセレモニーすらなかったそうです。
平成版前川レポートにやる気がない福田首相
しかも、財部さんはずいぶんこのレポートを評価されていますが、実際のところ、お題目は並んでいるものの新鮮みに欠けたものという印象を受けます。福田総理も中味が薄いから関心が薄いのではないかとすら感じてしまいます。
その点を「おおた葉一郎のしょーと・しょーと・えっせい」さんが「期待なければ失望なし」で的確にご指摘です。つまりどのように実現するのかというプロセスが示されていないのです。あま長い引用は避けたいので、もとのエントリーのご一読をオススメします。
実は、この手の政策を政府機関が行なうというのも、やや奇妙な話で、本来は民間の政策研究所というのが機能していればいいのだが、こんなところにも、日本の問題がある。中略
そして、全部読んでもすぐ終わるこのレポートを読んでも、何が言いたいのか、よくわからない。
このレポートの最大の問題は、誰でも感じている「日本復活の処方箋」を遠まわしの上に遠まわしに言っていることだ。ところでこのところ、ガソリン高に対して自民党の支持基盤の業界に補助金を出すとか、税金の無駄遣いをチェックする若手議員の会ができたとか、福田総理が公益法人への支出を3割カットするという方針を発表されたとか、いよいよ自民党も選挙対策に乗り出したという印象を受けます。サミット効果を期待して解散にむけて動き始めたということでしょうか。
”目標は前から知っているから、『プロセス』を教えて欲しい”ということなのに、だ。
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