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いったい政治はどうなっているのかと疑いたくなります。国土交通省の淀川水系整備計画に対する執念はすさまじく、自ら設けた学識者などによる諮問会議である「淀川水系流域委員会」が見直しを求めていたにもかかわらず、流域自治体の首長らが賛成しているという理由から当初の計画通りダムを整備するという強行突破をはかってきています。
国交省整備局、淀川水系の4ダム整備へ計画案

ところが、大阪、京都、滋賀、三重の4府県知事でいえば、決して賛成しているわけではなく、国土交通省近畿地方整備局と淀川水系流域委員会のダムの必要性をめぐる激しい議論に「非難合戦をやめ、互いの関係を正常化して早期に結論を出してほしい」と仲裁に入っただけであったほずです。いつの間に賛成に変わったのでしょうか。
橋下知事「ダムいらない」 淀川水系の4ダム建設で、4府県知事が意見聴取

今はどの自治体も財政が厳しく、費用対効果を求めるのは当然の流れで、いまだに結論がでていない淀川水系整備計画に賛成すれば、住民側の反発も当然でてくるから賛成するわけがありません。
一方で、国土交通省は、それが絶対必要だと主張してきた態度を改めることは、自らの非を認めることとなるから計画を下ろしたくはありません。だからなりふりかまわず、強硬突破をはかってきたということでしょう。

強硬突破といえば、農水省の諫早湾の埋め立てを思いだします。片方で減反政策を進めながら、干拓事業の遂行がこの地域での水稲栽培を継続するための唯一の選択肢だとして、莫大な費用をかけ、地元の漁業の犠牲と環境破壊までやって埋め立てました。しかし現在、埋め立て地で栽培されているのは主にジャガイモだという、おそまつというか、馬鹿馬鹿しい話がまかりとおっているのです。

いったい誰がこんな国土交通省の暴走、官僚の暴走を止めるのでしょうか。各省の最高責任者である大臣でしょうか。内閣の長である福田総理でしょうか。それとも国会でしょうか。

それぞれの立場から、いろいろな主張はあってもいいと思うのですが、問題は統治のしくみが働いているかどうかです。政治が官僚を統治できず、官僚の暴走が止まりません。ちょっと酷すぎますね。それにしてもマスコミはタクシー券の乱用やタクシー接待ということでは大きく取り上げても、こんな問題は小さくしか報道しません。それも変ですね。


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