日銀総裁の空白は、政治がなにひとつ決定できず、むしろ政治が空白だという現実を世界に知らしめてしまったのではないでしょうか。
河野太郎議員は率直にブログで感想を書いておられるけれど、これは正論だと思います。おそらく福田総理や官邸の迷走をよく物語っているように感じます。
>>迷走（ブログ版「ごまめの歯ぎしり」）
日銀総裁人事の迷走が伝わる。ためいき。
が、官邸筋は、武藤総裁でＯＫと小沢代表から内諾をもらっていたのだがと不満げだ。
が、だんだん電話がつながらなくなって云々と。
だから党首会談で、了承の確認をとろうとしたが、相手にしてみれば党首会談をやっても身内の同意が得られないという大連立と同じ状況になってしまったようだ。どっちもどっちだが、困るのは与党だ。
しかし、そこで大蔵事務次官上がりはないだろう。マクロ経済も金融もわかるのだろうか。
たすき掛けはおかしい。
こんな調子では、官邸の公務員制度改革に対する対応にも疑問がでてくる。
河野議員でなくとも、この日銀総裁空白問題の背後には、日銀と旧大蔵省（現財務省）の出身者が交互に就く「たすき掛け」の慣例が、速水総裁、福井総裁と日銀出身の民間企業経験者が２代続けてなったこともあり、総裁の席を取り戻そうと財務省がごり押ししているのではないかと勘ぐりたくなります。
不思議なのは、鳩山幹事長が財務省出身であっても、黒田東彦・アジア開発銀行総裁や渡辺博史・国際金融情報センター顧問なら反対しないという発言がありましたが、なぜこの発言を空白を避けるための糸口にしなかったのかです。鳩山発言にそって総裁人事を提示していれば、それに民主党が反対すると、民主党が困ったはずです。
>>日銀総裁人事、財務官経験者への同意を示唆＝鳩山民主幹事長
「我々は財務省だから全てだめと言っているわけではない。（黒田氏や渡辺氏は）国際金融に詳しいことは間違いない。それぞれ素晴らしい方と聞いている」と指摘。こうした人選であれば反対はしないのかと問われ、「私はそう思う」と同意の可能性を示唆した。
そこにまた財務省からのリクエストとしか思えない田波耕治国際協力銀行総裁を充てる政府案を提示し、武藤さんが本当はよかったのにと愚痴をこぼされても困るのです。おそらく福田内閣の公務員制度改に対する姿勢に疑問をもつのは、自民党のなかでも河野議員だけではないでしょう。

時代が安定していれば、福田総理のように官僚や官邸の御神輿にのってバランスを取っていくというリーダーシップもありえると思いますが、安倍内閣、福田内閣とこうも政治空白が続くとちょっと厳しいといわざるを得ません。
いくらねじれ国会とはいえ、それが民意の結果であり、現実なのですから、それを踏まえて、しっかりやっていただけなければ、政権担当能力がないということです。
どうもひたひたと解散が近づいてきた感じですね。

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【今日の一枚】透きとおった青空に浮かんだ月とくんぐん伸びる飛行機雲です。
月と飛行機雲

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