昨日久しぶりに、江坂の昌佳さんに行って教えてもらったのですが、大阪、兵庫、福岡で多店舗展開をおこなっていた酒販店「酒の楽市」を経営する株式会社前田が経営破綻し、民事再生法の適応をうけていました。
急ぎすぎた多店舗化で、競争力を失っての結果ということですが、実際のところはわかりませんが、原材料高の影響でビールからのリベートが減ったのかもしれないという気もします。
株式会社前田は、また「業務用スーパー」というディスカウントも展開していたわけですが、こういた低価格を売り物にするディスカウンターが成り立つのも、メーカーからのリベートによってであり、それも販売数量が右肩あがりに伸びていっているから、どんどん引き出せるわけで、それが無理な店舗数の拡大に走らせたのではないでしょうか。
「酒の楽市」は関西と福岡に地域が限られているために、大手のビールメーカーなどにとっては小さな傷だったかもしれませんが、納入している焼酎や日本酒の蔵は零細なところが多く、大打撃を受けている可能性があり、連鎖倒産もありえる話だと思います。
噂では、異常なほどに焼酎を買いあさっていたとか、積極的なプライベートブランドづくりをやっていたということですが、異常な焼酎ブームが去り、在庫が増えていたのかもしれません。
昌佳さんところも含め、このごろ、いくつかの店で、ついこの間まで焼酎を飲んでいたお客さまが、みなさん日本酒に変わられましたという話を聞いていたところでした。
酒にしても、薬にしても、カテゴリーキラーとして伸びてきたチェーン店は、零細な小売店のシェアを奪って伸びてきたのですが、もはや零細な小売店から奪えるパイはなく、チェーン店とチェーン店のしのぎを削る競争時代に入ってきており、次が見えないという時代にはいってきたように思えます。
販売数量によって、メーカーまた卸からの仕入れ条件を有利にするということならば、チェーンとチェーンの合併・統合しかないのかもしれません。
それにしても、百貨店からスーパーへ、スーパーからディスカウンターへと、価格の安い業態へ主役が移っていき、主役になると付加価値を追求するために高価格となり、さらに価格破壊を行う新業態が生まれてくることをホイールの理論といいますが、その業態成熟のサイクルが短くなってきました。忙しい世の中です。

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【今日の一枚】梅に鶯。待ち構えるほど気が長くないので、タイミングだけの問題です。
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