朝日、日経、讀賣合同のニュースサイト「あらたにす」が昨日公開されさっそく見てみました。話題にはなっていたので、さっそくご覧になった方も多いのではないでしょうか。
>>あらたにす

見てみた感想ですが、地味で、あまり新鮮さは感じられず、まあそんなものかということですが、今後どうなっていくのだろうかというほうに関心を持ちました。

社説の比較は、これまではブックマークから各社説を開いてやっていましたが、こちらのほうが便利そうです。地味にコツコツやっていくという雰囲気がありますが、各紙が業務提携を実験的に行いまずはスタートさせたということでしょう。
ガ島通信さんがご指摘のように、ポータルをめざさなかったことで、「くらべる」という、それなりのサイトとしてのポジションはあるように感じます。ガ島通信さんが、ご紹介の共同通信と地方紙がやっているニュースポータルサイト「47NEWS」も、ポータルというコンセプトから離れ、もっと絞って特徴をだせば全国紙ではこぼれてしまう各地方でなにが起こっているかがわかって案外面白くできると感じます。新聞社が、Yahoo!とかiGoogleとまともに競争しようというのは、競争戦略としては間違いでしょう。
.>>[ネット時代の新聞]日経・朝日・読売3紙のサイト「あらたにす」がオープン(ガ島通信

紙媒体という点では、インターネットの影響だけではないでしょうが、すでに雑誌は発行部数が減ってきいますが、新聞はさらにインターネットの影響を受けやすいので購読者減少による経営圧迫が起こってくることは避けられません。ダボス会議における未来論者のパネル討論で、「新聞が消えるかどうかを議論すべきではない。いずれ終焉するのは間違いないので,問題はいつ頃に輪転機が止まるかである。おそらく2014年にも新聞が消えるであろう」という厳しい予言まででてきたそうです。
>>新聞終焉2014年説,ダボス会議でも未来論者が予言(メディアパブ)

新聞から輪転機が実際に止まるかどうかは別にして、どんどん効率化を図っていく動きがでてくるのでしょうが、海外と違って再販制度による宅配制度が新聞社を支えているので、案外長生きしそうであり、変化は海外と比較すると緩やかなものとなりそうで、ネットで稼がないといけないという切迫感ももてず、じわじわと劣化していくと見る方が自然かなと感じます。
まあ、今回の「あらたにす」は、Parsleyの「添え物は添え物らしく」さんが書かれているように、紙媒体という市場が衰退していく中で、「三社にとっては、今後進むであろう販売・印刷といった部門での提携や、産経・毎日や地方紙のシェアを奪ってなんとか生き残るための一里塚的な存在」なのかもしれません。
>>『あらたにす』を見てみた(Parsleyの「添え物は添え物らしく」)

販売店の囲い込みで、棲み分けが効いているうちに、まずはコンテンツで競い合って三紙の存在感をつくっておこうということでしょうが、はたして競い合って差別化が進むのか、いや横並びが好きな日本のことですから、今以上に同質化していくのか、ウォッチしていくには面白いサイトではないでしょうか。

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