たとえ小さくとも、独自の技術、独自のアイデアで頑張っている会社があります。きっとみなさまもそんな会社のいくつかをご存じではないでしょうか。昨日の社内の議論のなかで、ブランディングに力をいれればもっと面白くなる会社、発展するだろうという例で議論が沸いたのが、どちらも技術を起点にしている小さな会社「福井洋傘」と「コデラカプロン」でした。

福井洋傘
福井洋傘は、2006年の9月に、トヨタが匠の技として、レクサスの世界にふさわしいとしてレクサスコレクションに採用され、たった十数名の会社が世界のトヨタと取引を開始したということで話題になり、一挙に広く知られるようになりました。
その「ヌレンザ」は福井県の方言で、濡れないということだそうです。
>>LEXSUS Collection

重要なことは、この福井洋傘の「ヌレンザ」は福井商工会議所が実施している苦情・クレーム博覧会で、雨が降った際、電車内などで傘の水滴で服や靴が濡れて困るという声が寄せられたことがヒントとなり、さっと振るだけで雨水をはじく超撥水性の傘ヌレンザが生まれた、しかも福井洋傘は伝統的な蛇の目傘を手作りの技でつくる続けてきた伝統工芸の会社だったという意外性もあって、ものの良さだけでなく、物語性を持っているということです。
ブランド開発にとって重要なのは、物語性のあるとコンテンツがあるかないかということの良い例だと思います。ただ、一応ブログはあるようなのですが、ブランディングについてはレクサスや流通の他力本願というところがちょっと惜しい気がします。
>>福井洋傘


コデラカプロン

カッパー君

知りあいのかたに教えてもらったのがコデラカプロンです。銅には殺菌作用とか、人の体の中で、血液や皮膚、毛髪を作る働きなど不思議な力があります。この会社は銅を繊維にする技術があり、浄水器や靴下、また花粉症対策のマスクなどの製品化がなされています。マスクなどはきっとインフルエンザ対策にも効力を発揮するのではないかと思います。
実際にオフィスで携帯浄水器カートリッジでおいしい水がつくれるというとこで使ってみましたが確かに珈琲やお茶が美味しくなりました。
しかしこちらが残念なのは、使ってみれば良さがわかるのですが、イメージづくり、とくにブランディングが弱く、製品の良さがなかなか伝わってきません。ホームページで購入もできますし、東急ハンズなどでも手に入りますから一度試してご覧になってはいかがでしょうか。
>>コデラカプロン

技術はある、製品化のアイデアもある、しかしモノを超えた物語づくりが抜けているところが惜しいところです。

日本の企業の99.7%を占め、常時雇用者の71.0%が働くなど、日本の経済の中心的な役割を果たしているのが中小企業です。
>>中小企業の定義
しかもマーケットは競争が進展し、ニーズやウォンツが高度化するにつれ、どんどん新たな小さな市場が生まれてきており、小さな市場で、こだわりの製品やサービスが求められてきており、中小企業が活躍するチャンスも広がってきています。
その中小企業が活力を高めていくひとつの鍵がブランディングにあると思います。ブランドはそういった市場に切り込んでいく武器にもなってきます。

中小企業のブランディングは、大企業の多くが展開するマスマーケティングとしてのブランディングではなく、経営戦略、事業戦略と一体化して考えることがコツです。
ひとつには、人びとを惹きつけるのは、もちろん製品やサービスの質もありますが、その会社が描いている夢の魅力です。
さらに、もっとも優れた競争戦略は、正面衝突の競争をいかに避けるかにあるといわれていますが、そのためには、自らの市場での立ち位置をしっかり定め、どのようなお客さまのニーズに応えていくのか、また多くのライバル企業と異なるどのような立ち位置を選び、どのような価値を提供していくのかという選択が重要になってきます。
つまり、自らがなにをめざし、どのような価値づくりにこだわっているかというアイデンティティの問題です。そしてアイデンティティがはっきりすれば、どのようなイメージづくりを行うべきか、どのようコミュニケーションを行えばいいか、さらにどのようなマーケティングを展開すべきかのアイデアもきっと広がってきます。

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